志茂田景樹、ジミー・リャオが生んだ「星空」は「圧倒的ファンタジーに満ちている」
2017年10月20日 22:00

[映画.com ニュース] 「九月に降る風」「百日告別」のトム・リン監督が台湾の人気絵本作家ジミー・リャオ氏のベストセラーを映画化した「星空」の特別試写会が10月20日、東京・台湾文化センターで行われ、作家の志茂田景樹氏が出席した。
本作は2012年の大阪アジアン映画祭の特別招待作品として上映され、一般公開が熱望されながらも、それ以降は日本の版権の所在が不明とされてきた幻の作品。様々な美術品が並ぶ家で育った13歳の少女(リン・フイミン)は、美術商である両親の離婚問題に悩み、心の支えだった彫刻家の祖父の死を経験したことで、孤独な日々を送っていた。だが、スケッチブックを待って街をさまよう不思議な転校生の少年(シュー・チャオ)と交流を深めたことで、“星空”を見るための旅の出る。
2000年代初頭「君のいる場所」「君といたとき、いないとき」「地下鉄」の3部作が、日本でも人気を博した絵本作家ジミー・リャオ。「『星空』は、絵本も映画も圧倒的ファンタジーに満ちている」と絶賛する志茂田氏は「(絵本は)孤独の中には必ず恐怖もあるということを絵で表現している。ある意味では胸をしめつけられ、そして愛おしさも感じます」とリャオ氏が創出した物語の魅力を観客に伝えていた。
「転校生の父親は、絵本の船員という設定から、DV(ドメスティック・バイオレンス)を繰り返す人物に変わっている。絵本のイメージが映画版ではどのように消化されているか。その点を比べてみるのが、僕としては嬉しい鑑賞の仕方です」と思いの丈を述べると、映画版の鑑賞をきっかけに想起した10代の思い出を明かした。「僕の10代は孤独でしたし、いじめられたこともあります。一方で、自ら孤独のなかに入っていく心地よさ、そして怖さも感じていました。絵本も映画版も、自分自身の体験を重ねた部分がかなりありました。映画を見ている最中、僕が感じたことを感じるかもしれない。それはこの映画が成功している大きな証拠だと思う」と語っていた。
この日は“よい子に読み聞かせ隊”の隊長としても活動する志茂田氏が、原作の絵本を朗読することに。部屋の明かりが消され、リャオ氏が描いた味わい深いイラストがスクリーンに投影されると、志茂田氏は13歳の少女の視点で言葉を紡ぎ始めた。時に抑揚をつけ、そして時には擬音を巧みに表現する志茂田氏の語りに、観客は身じろぎもせず耳を傾けていた。
「星空」は、10月28日から東京・新宿K's cinemaほか全国で順次公開。
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