森川葵×北村匠海×佐藤寛太、架空の世界で紡いだ普遍的な青春ラブストーリー
2017年10月15日 12:30
[映画.com ニュース]ムサヲ氏による人気漫画を実写映画化した「恋と嘘」が、10月14日に公開される。16歳になると政府が“最良”の結婚相手を通知する近未来の日本を舞台に、切ない三角関係に陥る高校生を演じた森川葵、北村匠海、佐藤寛太に話を聞いた。(取材・文/編集部 写真/江藤海彦)
舞台は、政府が遺伝子情報などをもとにマッチングした“最良”の結婚相手を決める「超・少子化対策法」が施行されている近未来の日本。16歳の誕生日に届く結婚相手を記した「政府公認夫婦斡旋通知」(通称:政府通知)を心待ちにしている女子高生・仁坂葵(森川)は、優しい幼なじみ・司馬優翔(北村)と、政府が選んだミステリアスなパートナー・高千穂蒼佑(佐藤)の間で揺れ動き、三角関係は思わぬ方向へ進み始める。
原作では男子高校生ひとりと女子高生2人の恋模様が描かれるが、映画版は男女を逆転させたアナザーストーリーとなっており、プロデューサー陣と原作者のムサヲ氏が新たにキャラクターを作り上げた。偶然にも自身と同じ名前の主人公を演じた森川は、「今までも青春ラブストーリーっていっぱいあったけれど、ファンタジーな感じがあって新しい映画になったんじゃないかなと思っています」と仕上がりに自信をのぞかせる。
一見、青春を謳歌する若者が政府に恋の相手を決められる窮屈な世界と思ってしまうが、今作のミソは政府通知が悪として扱われていないところにある。佐藤は、「なかなか考えづらい設定だけど、そこに生きている人間たちはすごくリアル。10代特有のもがきや苦しみもあり、決められた世界のなかで、葵が自分にとっての幸せって何だろうとひたむきに生きていくさまがすごく心に刺さる」と力説する。
劇中の日本では、政府通知に罰則規定はなく自由恋愛も認められているが、通知された相手と結婚すれば政府からの手厚いサポートが受けられる。葵の両親を含む多くの人が、政府通知の相手と幸せな結婚をし、制度をポジティブに捉えている。そして、俳優陣3人も肯定派だ。
「『もちろん自由に恋愛できるほうがいいでしょ!』と思っていたけれど、演じた後、見終わった後に、政府通知は素敵かもしれないと思った」という北村に対し、森川は“16歳なら”「親の管理下にある状態だし、受け入れるしかない」と困り顔を浮かべながらも理解を示す。一方、「僕は影響されやすい人間」という佐藤は、「心待ちにしてると思います。『どんな人が来るんだろう』って」とあっけからんと話す。劇中のミステリアスな高千穂とは真逆で、思ったことを真っ直ぐ伝える素直さが、一気に場を明るくする。
北村と佐藤は、ふざけ合う男性陣を森川が見守るような現場だったと話し、演技の面でも助けられたと話す。「すごく純粋にピュアに演じていたので、本当に素敵。司馬が心から愛する女性でいてくれた」(北村)、「目が真っ直ぐで、訴えかけてくるところに高千穂もひかれて、今までと違って殻を破っていこうというきっかけになったと思う。そういう女性ってめちゃくちゃ魅力的」(佐藤)
このほめ殺しを、北村に「嬉しそうだなあ(笑)」と指摘されるほど笑みをこぼして聞いていた森川は、素直に「嬉しいですね(笑)。普段そんなにほめられることなんてない」と噛み締める。そんな森川に、司馬と高千穂のどちらがタイプの男性か問うと、熟考のすえ「選べない」と答えた。「葵と同じで、私自身も本当に優柔不断なんです。優しい男性ってすごく素敵だなって思うので、2人ともいいです」とほほ笑む。
今作に登場する数々の“キュン”のなかでイチオシのシーンを聞くと、北村と佐藤は、葵と高千穂の水族館でのキスシーンで一致。「高千穂推し」を宣言する北村が、シーンを再現して大盛り上がりだ。森川の「(肩を叩いて)ほっぺツンの、振り返る2人の表情がキュン」という意見にも、「やられる方もキュンとする!」(北村)、「あれは絶対に(現実世界でも)やったほうがいい!」と太鼓判を押した。
自分の“好きな人”を選べないでいる少女と、大好きな少女に翻弄される2人の少年。架空の世界で普遍的なラブストーリーを紡いだ3人が、青春×恋愛から生まれる究極のトキメキは、どんな状況下でも変わらないことを証明してくれた。
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