ロブ・ライナー監督、ワールドプレミアの反響に感激 ビッグネームで湧いたチューリッヒ映画祭
2017年10月10日 19:00
[映画.com ニュース] 10月8日に閉幕したスイスのチューリッヒ映画祭で、ロブ・ライナー監督の新作「Shock and Awe」がワールドプレミア上映され、満場のスタンディングオベーションとともに大きな反響を巻き起こした。ライナー監督自らが、「こんなに歓迎されたことは僕の映画人生で初めてだ」と驚きの声を漏らしていた。
本作はアメリカのイラク進行後、当時のブッシュ大統領が侵攻の理由にしたイラクの大量破壊兵器保持が嘘だった、ということを暴いた実在のジャーナリストたちの姿を描く。地道に調査活動を続ける現場の記者の上司役には、俳優でもあるライナー自身が扮したほか、ウッディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、トミー・リー・ジョーンズらが共演。アカデミー賞を受賞した「スポットライト」をややエンタテインメント寄りに仕立てたような作風で、記者たちが一歩一歩真実に迫るさまを追う。
チューリッヒにはモデルとなり、映画製作にも協力したニュースエージェンシー、Knight Ridderの記者3人も同行し、記者会見に参加した。ライナー監督は会見で、「当時誰も信じようとしなかった事実を明るみに出した記者たちの活動は素晴らしい。彼らのような健全なジャーナリズムをサポートすることなしには、民主主義は成り立たない。この映画がいまのような時代にインパクトを与えることを願っている。それがこの作品を作った理由だ」と語った。
チューリッヒ映画祭はアメリカからのビッグなゲストが多いことで知られるが、今年はゴールデン・アイコン賞を受賞し、新作「The Wife」が上映されたグレン・クローズ、栄誉賞を受賞し「Molly’s Game」のヨーロッパ・プレミアを迎えたアーロン・ソーキン監督(兼脚本)、共に本映画祭のシンボルであるゴールデン・アイ賞を送られた「Stronger」のジェイク・ギレンホールと「Breathe」のアンドリュー・ガーフィールドなどが訪れた。
さらに同映画祭のクロージングに選ばれた「不都合な真実2 放置された地球」の上映に伴ってアル・ゴア元副大統領が現地入りし、環境問題を訴えた。一方、ドキュメンタリー部門で注目されたのが、「The 11th Hour」のレイラ・コナーズ監督によるミハイル・ゴルバチョフのドキュメンタリー、「The Arrow of Time」。冷戦終結の立役者となったゴルバチョフの功績を振り返りながら、現代社会へ警鐘を鳴らす。残念ながら健康上の理由で訪問が果たせなかったゴルバチョフはビデオレターで参加。テロやサイバー・セキュリティ、環境問題の深刻さを訴え、ロシアと西側諸国が協調することが大切であること、とくにロシアとアメリカは一刻も早く対話の機会をもうけるべきだと唱えた。(佐藤久理子)
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