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ナタリー・ポートマン、仏映画でスピリチュアリスト役 もし過去の自分と話せたら…?

2017年9月22日 07:00

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フランス語でのセリフにも挑戦した
フランス語でのセリフにも挑戦した
撮影: Jun Sato

[映画.com ニュース]女優ナタリー・ポートマンが、ジョニー・デップバネッサ・パラディの娘リリー=ローズ・デップと姉妹役で共演した「プラネタリウム」が9月23日に公開される。フランス人女性監督レベッカ・ズロトブスキによるミステリアスなドラマで、降霊術と映画界という2つの要素を組み合わせたユニークな物語だ。フランス語でのセリフにも挑戦したポートマンが作品を語った。

物語の舞台は1930年代後半。アメリカ人のローラは、霊感の強い妹ケイトと共に、降霊術のツアーでパリを訪れる。姉妹の才能を目の当たりにして衝撃を受けた大手映画会社プロデューサーのアンドレは、姉妹を主人公にしたリアルなゴースト映画を製作しようと話を持ちかけ契約を結び、ふたりを自宅に住まわせて撮影を開始する。

スピリチュアルでありながら、姉妹が生きた時代の空気を感じる独創的な物語だ。単なるゴーストストーリーではなく、強く生きようとする女性たちの姿を描いており、同時に、迫りくるナチズム、当時の映画業界の事情も盛り込んだ重層的な構造になっている。才媛として知られるポートマンをして「とてつもなく頭が良くて、ほかにあんな女性は知らないわ」と言わしめるズロトブスキ監督のアイデアに感服したという。

「スクリーンで描かれる感情を通して死者とコミュニケーションを取るという、レベッカ(・ズロトブスキ監督)のアイデアがとても面白いと思ったの。もしかして、映画って存在しない人とのコミュニケーションを図るために作られたものではないかしら。あと、戦前のあの時代はなかなか映画で描かれることがないので、それも興味深かったわ。そして、登場人物たちは全員誘惑しあっている。レベッカに映画は人の欲望を誘惑するものではないかと言われたの。ローラもそういったものを体現するキャラクターなのではないかと。そういう映画、考え方に出会って、私も映画作りに対する考え方が変わったわ」

「レベッカは、もともと友人で、私のことを良く知っているから、ひとつの言葉で感情を上手く出させてくれたり、見たことのない自分の側面を引き出してくれたりするの。演じる上で『キュートじゃなくて、タフにね』と何度も言われたわ。そういうことを経験することも大事だった」

画像2(C)Les Films Velvet - Les Films du Fleuve - France 3 Cinema - Kinology - Proximus – RTBF

ポートマンがデップと共に演じた姉妹は、1880年代のアメリカに実在した霊媒師のフォックス姉妹がモデルになっている。当時のスピリチュアリストの存在について説明する。

「スピリチュアリズム(心理主義)は当時のアメリカで大きなトレンドだったの。当時は男性は女性に意見を求めることなどしなかったけれども、女性と子供はより純粋な存在として、霊に近く、女性だったら霊と交信できるのではないかと信じられていたから、霊から来た意見だといえば耳を傾けてもらえたの。面白いのは、最初に女性の権利問題について声を上げたのが、彼女たちスピリチュアリストたちなのよ。例えば、『奴隷制度を廃止すべきだ』『女性が参政権を持つべきだ』と霊が言っています、とかね。そういう意見が取り入れられていて、霊の言葉を聞いて書くという形で残されているの。フォックス姉妹とは別の、ウッド姉妹という霊媒師姉妹のビクトリアという女性は、女性大統領候補として初めて立候補したの。ヨーロッパにも遠征して、重要なビジネスマンに意見を言ったり、株のブローカーとしても活躍した。このように、女性でありながらたくさんのことを手に入れることが出来た人もいるのよ」

妹役にリリー=ローズ・デップをと、自ら監督に提案した。実際に共演したデップをこう評する。「最初はルックスから興味を持ったのだけれど、共演した彼女は優しい子で、プロでもあるし、有り余る才能を持っていたわ。お互いに姉妹がいないので、役の上だけでも姉妹のように振舞えたのはとても楽しかった。でも心の中で、『私、彼女より20歳も上なのよ』って言い聞かせていたの(笑)」

ハリウッド大作からアート系作品まで、幅広いジャンルで活躍するオールマイティな大スターは「私、アドリブが大好きなの」と目を輝かせる。「でも、監督の方向性には従うようにしていて、セリフを変えられるのが嫌いな脚本家もいる。監督と脚本を兼任する人もいるから、彼らが望むことをリスペクトするようにしているけれど、私は遊び心を持って役に臨むのが好き。アドリブを好んでくれる監督を選んでいるわ」という。今作ではフランス語のセリフに挑戦したが「日常会話は問題ないのだけれど、冠詞(男性・女性形など)を間違えて、笑われた経験があるから、その恥ずかしさから今回アドリブは出来なかったのよ」と告白。

過去の魂と話せる降霊術がテーマの本作、死んだ人間ではなく、過去の自分となにか話すことが出来たら?と尋ねてみた。「12歳の頃の私に、あまり聞き分けのいい人間にならなくてもいいのよ。人の言うことを全部聞かなくてもいいのよって言いたいわね(笑)」子役時代を思い出したかのように、はにかむような笑みを浮かベた。

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