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坂本龍一ドキュメンタリーにベネチアが熱狂!行く先々で声をかけられる人気

2017年9月6日 11:46

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坂本龍一とスティーブン・ノムラ・シブル監督
坂本龍一とスティーブン・ノムラ・シブル監督
(C) Kazuko Wakayama

[映画.com ニュース] 第74回べネチア映画祭の開催5日目、坂本龍一を追ったドキュメンタリー「Ryuichi Sakamoto:CODA」がアウト・オブ・コンペティション部門で上映され、坂本が監督のスティーブン・ノムラ・シブルとともにレッドカーペットに登場し、大きな歓声で迎えられた。

上映に先立つ会見で、ドキュメンタリーのきっかけを聞かれた坂本は英語で、「ふだん人前に出るのはあまり好きじゃないんですが、監督のとても紳士的で控えめで寛大な人柄にほだされました」と語った。

映画は、2012年から坂本に密着。音楽的な活動のほか、東日本大震災後に福島を訪れたり、ニューヨークの自宅で作曲をする様子など、社会活動家としての側面やプライベートな顔も紹介するドキュメンタリーとなっている。さらにYMO時代のフッテージや、ベルナルド・ベルトルッチからサウンドトラックを依頼された「ラスト・エンペラー」のエピソードなども。もっとも、ドキュメンタリーにありがちなキャリアの総括やインタビューの集積といったものではなく、アーティストを静かに見つめ、その内なるインスピレーションに寄り添うような作りになっている。

上映後、観客が総立ちとなり惜しみない拍手を送ると、坂本は照れくさそうに手を振った。この日、完成版を初めて見たそうで、「思わず目を塞ぎたくなるような、見たくないところはありましたね(笑)。自分としては客観的に見られないですが、お客さんの(熱狂的な)反応に驚きました。早くあの場を立ち去りたかったんですけど、映画祭ディレクターのアルベルト・バルベラさんに引き止められました(笑)」と明かした。

一方、18歳まで東京で育ち、YMOの音楽を耳にしながら大きくなったというシブル監督は、「我ながらまさかこんな日が来るとは思わなかった。彼とコラボレーションができて本当に光栄です」と喜びを露わにした。

坂本はさらに、同映画祭クラシック部門に出品され、「大好きな監督」と尊敬する小津安二郎の「お茶漬けの味」4Kデジタル修復版のプレゼンテーションもおこなった。行く先々でファンから声を掛けられなど、その人気ぶりはまさしく「世界のサカモト」。イタリアはベルトルッチの故国であり、坂本自身、ベネチア映画祭で審査員を務めたこともあるだけに、なおさら人気が定着している印象だった。(佐藤久理子)

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