映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

村上虹郎「二度めの夏、二度と会えない君」で見つけた新たな“演じる喜び”

2017年9月3日 10:00

リンクをコピーしました。
取材に応じる村上虹郎
取材に応じる村上虹郎

[映画.com ニュース] 村上虹郎が映画「二度めの夏、二度と会えない君」(9月1日公開)で演じたのは、切なすぎる思いを抱えて半年前の“あの日”にタイムリープする男子高校生だ。「ある意味、不条理な物語」と評す今作で、村上は何を表現し、どう過ごしたのだろうか。共演者やメガホンをとった中西健二監督との関わりから発見した、新たな“演じる喜び”を交えながら語った。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)

赤城大空氏の人気ライトノベルを実写化した、タイムリープとバンド活動が題材の青春ラブストーリー。不治の病を患う森山燐(吉田円佳)の死に際、自分の思いを告白したことを後悔する高校生・篠原智(村上)が、ひょんなことから半年前にタイムリープし、燐やバンドメンバーと過ごした日々をやり直す姿を描く。

今作が「一味違う切り口だ」と感じさせる要因のひとつは、主人公・智が大きく運命を変えようとせず、粛々と「1周目と同じ行動」を遂行しようとする一方で、「思いを寄せる燐に二度と『好きだ』と言わない」と心に誓う点だろう。2周目こそ燐の未来に自分がさらなる影を落とさぬよう、必死に思いを押し殺す智の姿が、ひたすらに切ない。

村上はタイムリープというギミックに「ゲーム的」と言及する一方で、「智の世界は音楽と燐だけ。燐を失うことは、圧倒的な太陽がいなくなること、イコール音楽を失うことにもなります。智がやり直したいと強く願うのは素晴らしいことだと思う。そして純粋に人のために頑張れる、というところも。でも、もっとその瞬間を楽しんでも良いのでは、とも思いました」と、主人公の心情に寄り添った。

等身大の高校生を演じる上で、アプローチは「削ぎ落とすこと」だったといい、「ずっと後悔しているキャラなので、つらい部分はありました」と苦笑する。「記憶が鮮明に残っている半年前にタイムリープというのも絶妙。5年や10年前だと、無責任に他人事だと思ってしまうかもしれない。半年前だと無責任になれないし、智がそういうところで誰にも打ち明けられず、悩んでいることも意識しました」。

そして中西監督の手法が、村上にさらなる喜びを与えた。「中西監督は、まったくモニターを見ないんです。そこはすべて撮影監督さんに託していて、基本的にカメラの横でずっと芝居を見てくれていました。かつてのフィルム(で撮影していた)時代は、その場で画角は決めることができますが、仕上がりはラッシュを見るまでチェック出来ない。だから芝居中にモニターを見ることはできなかったと聞きます。僕はその世代じゃないからこそ、中西監督がそうしてくれた(芝居を肉眼で見てくれていた)ことに嬉しさを感じました」。

「演じ方にも変化があった」。芝居での新しい体験、発見に言及するとき、村上の顔が一層華やいだことが印象的だ。「“舞台的”だと感じました。目の前で自分の演技を演出家が見ていることが稽古のようだし、見られていることをより意識するから、恥ずかしさも出てきます。緊張感も出てきます。開放された気分にはならず、何も隠せないわけですから、ある意味怖いです。しかし、そこで『役を生きている』感覚はありました。実は、去年撮影した『武曲 MUKOKU』の熊切和嘉監督も同じ手法でした。立て続けにそうした監督さんとご一緒できて、貴重な、嬉しい経験でした」。

そんな村上にとって、“演じること”はどんなものなのだろうか。そう問うと、しばし考え、胸に留める信念を明かしてくれた。「『生きること』です。かっこつけた言い方になってしまいますが(笑)。俳優は、すべての経験が活きる可能性があると思うんです。すべてを無駄にできないですし、無駄にした時間も必要な経験だったりする。プライベートも仕事も全部、地続き。今読みたい本も次の作品のためだったり、役のために深く掘る作業もするので、すべてが趣味になり得るんです。もう3、4年後くらいに僕の話を聞いてもらえると、面白いかもしれません。そのころには、いい意味でもっと“無駄”が増えていると思います」。

村上虹郎 の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

aftersun アフターサン

aftersun アフターサン NEW

父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版 NEW

内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。

おすすめ情報

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る