若者の性を綴ったATGの伝説的映画「初恋・地獄篇」 羽仁進監督が当時を回想
2017年8月15日 18:00

[映画.com ニュース] 1960~80年代に非商業的な芸術的映画を製作・配給した映画会社ATG(日本アート・シアター・ギルド)で、1968年に羽仁進監督が発表した「初恋・地獄篇」が、デジタルニューマスター版で初ブルーレイ化される。7月に東京・シネマヴェーラ渋谷で行われた特集上映で、羽仁監督が作品を語った。
「初恋・地獄篇」は、大都会に生きる若者の性体験を題材に、ドキュメンタリータッチで撮影した異色の青春映画。幼児愛、同性愛、SMなど性的倒錯を扱い、センセーショナルな作品として話題を呼んだ。演技経験の無い10代の男女を主演に抜てきし、美術を金子国義氏、ポスターデザインを宇野亜喜良氏が担当した。
羽仁監督は、「少年少女も子供と同じように、心の中ではいろんなものを思っている。一方で大人は、心の中に持っているものを忘れがちで、世の中の決まっていることが気になるもの。貧しい少年少女はそういうことを知らないけれど、それでも夢を持っている。それを表したかった」と本作の主題について説明する。
また、共同脚本とクレジットされている寺山修司が撮影現場を訪れた際のエピソードを披露し、「寺山さんは人を褒める天才なんです。初日の撮影をみた時にこんなすごいところで始まるとは思わなかった。羽仁さん、これはすごい、これはすごい映画になる」って言ってくださって、すっかり得意にしてくれた。精神的に僕を支えてくれた」と当時を振り返った。
教護院で育ったシュンは、7歳で彫金師の家にひき取られ、手伝いをしながら成長した。孤独なシュンは、ヌードモデルの少女ナナミと知り合う。安ホテルに入ったが、初めての経験でシュンは当惑し、2人はそのままホテルを出る。シュンはある日、公園で幼い少女に出会うが、物蔭で2人を見ていた男に変態扱いされ、精神病院へ送られる。その後、シュンはナナミのいるヌードスタジオを訪ねるが、ナナミにはもう一つの生活があることを知る。
「初恋・地獄篇」ブルーレイは各5800円(税抜き)、DVDは各3800円(税抜き)で8月16日発売。
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