山崎まどか×山内マリコ、ジャームッシュ最新作「パターソン」の日常描写にほれぼれ

2017年8月9日 14:00


約4年ぶりの長編劇映画に歓喜
約4年ぶりの長編劇映画に歓喜

[映画.com ニュース] ジム・ジャームッシュが約4年ぶりに手がけた長編劇映画「パターソン」の公開記念トークイベントが8月8日、都内で行われ、コラムニストの山崎まどか氏、小説家・エッセイストの山内マリコ氏が出席。さまざまなカルチャーに精通する2人が、本作の魅力を語り合った。

米ニュージャージー州パターソンで暮らすバス運転手のパターソンが、もう1つの顔である“詩人”の視点から単調に見えがちな1週間を、美しくかけがえのない時間として切り取る姿を描く。主演は「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバー永瀬正敏が「ミステリー・トレイン」以来27年ぶりにジャームッシュ作品に出演し、日本人の詩人を演じている。

「本当によかったです」と作品を絶賛する山内氏は、「こういう“日常もの”は淡々として、つまらなくなりがちですが、登場人物たちの生活に入り込めて、見終わった後にちゃんと何かが残る」とその魅力をコメント。また、プロの執筆業という立場から「商業的な成功を目指さずに、バスの運転者をしながら、プライベートで詩を書くというのは、ある意味1番幸せで、うらやましい」と語った。

山崎氏も「最近のジャームッシュ作品では1番好き。変わらないけど、新しい魅力がある」と本作に太鼓判を押し、「アメリカは基本的に車社会で、人々が分断されているが、独特な高さで町を回遊するバスが舞台だからこそ、車からは見えない社会や人々の物語が交錯している。まるでパターソンという町が詩を奏でているよう」と風情を醸し出す設定の妙にほれぼれしていた。

パターソン」は、8月26日から全国順次公開。

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寡作の巨匠、ジム・ジャームッシュ監督がメンフィスの一夜を舞台に、お互いを知らぬまま同じホテルに宿泊している三組の人物を描いた、ユーモアと優しさ溢れる傑作。

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