H・ハートリー監督「ヘンリー・フール3部作」に日本語字幕を!クラウドファンディングで資金募集
2017年6月21日 04:00

[映画.com ニュース] 米ニューヨーク・インディペンデント映画界の気鋭ハル・ハートリーが、第51回カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞受賞作「ヘンリー・フール」から始まる3部作のDVD&ブルーレイBOXセットに、日本語を含む5カ国語の字幕をつけるための費用を米クラウドファンディングのキックスターターで募っている。
「ヘンリー・フール3部作」は、1997年製作、99年に日本公開された「ヘンリー・フール」、日本未公開の続編「フェイ・グリム」(2006)、「ネッド・ライフル」(14)で構成された、ひとつの家族の世代を超えた物語。クラウドファンディングで目標額を達成すれば、日本語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語の字幕が採用されたDVD&ブルーレイBOXセットが、11月頃(予定)にハートリー監督の公式サイト(halhartley.com)を通じて発売される。
第1作の「ヘンリー・フール」は、内気なゴミ収集人の青年と、自称作家の浮浪者の交流を描いたヒューマンコメディ。ゴミ収集で家族を養うサイモンが、自称作家のヘンリーの影響で書き始めた詩の才能を開花させる一方で、ヘンリーはサイモンの母メアリー、姉フェイと続けて肉体関係を持ち、フェイは妊娠。それでも恩義と友情を感じていたサイモンだったが、ヘンリーの作家としての才能のなさが露呈し、2人は袂を分かつ。5年後、サイモンは詩人として成功を収め、ヘンリーはゴミ収集の仕事でフェイと息子ネッドを養っていたが、成り行きで殺人を犯し、警察に追われる身となってしまう。
第2作「フェイ・グリム」では、主人公がシングルマザーとして息子ネッドを育てるフェイに移行。ヘンリーが残した日記をきっかけに、アメリカ、フランス間でスパイ戦が繰り広げられる。第3作「ネッド・ライフル」の主人公は、両親から離れ里親の元で暮らす18歳になったネッド。家族の不幸の元凶となった父ヘンリー殺害のための復しゅうの旅と、叔父サイモンの詩を研究している女性スーザンとの出会いを描く。
ハートリー監督は今後、これまでの監督作14本をHD画質、5カ国語字幕付きでソフト化し、「ハル・ハートリー・コレクション」としてリリースすることを計画。今回の「ヘンリー・フール3部作」をその第1弾として位置付けており、「まだ構想の段階ですが、キックスターターのおかげで観客とダイレクトに繋がる効果的な方法を手に入れることができました。自分が届けたい形で作品を届けることができるようになって、僕自身もより満足感が得られるんです」と語っている。
キックスターターでは、10万ドルの目標額に対して、出資金額は10ドルから1万ドルまで、さまざまなプランと特典が用意されている。締切りは日本時間7月12日。詳細は公式サイト(https://www.kickstarter.com/projects/260302407/henry-fool-trilogy-boxed-set/)で確認できる。
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