「セールスマン」主演女優、名匠A・ファルハディの驚きの演出を明かす
2017年6月10日 15:30

[映画.com ニュース] 第89回アカデミー賞で外国語映画賞に輝いた獲得した、イランの名匠アスガー・ファルハディ監督作「セールスマン」が6月10日、全国3館で公開された。来日中の主演女優タラネ・アリシュスティは、東京・渋谷のBunkamuraル・シネマでのトークショーに臨んだ。
小さな劇団に所属し、作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演している役者の夫婦。ある日、引っ越したばかりの自宅で夫が不在中に、妻が何者かに襲われる。事件が表ざたになることを嫌がり、警察へ通報しようとしない妻に業を煮やした夫は、独自に犯人を探し始めるが、事態は思わぬほうに進んでいく。
3つの上映館全て、初回上映が満席だったことを告げられたアリシュスティは、「ありがとうございます」とニッコリ。「とても素敵な国。今回は見てまわるチャンスがなかったのですが、また時間をおいて、ゆっくりといろんなところを見てみたいなと思います」と初来日の喜びを語った。
ファルハディ監督とは、本作が4度目のタッグ。本作には劇中劇があることについて触れ「この映画のなかで、我々はもうひとつの舞台を演じています。それが『セールスマンの死』。撮影に入る前に、監督と『セールスマンの死』の稽古を長く行いました。まるでその舞台をこれからやるかのように、細かくやりました。もちろん映画のなかでは、全部は使われていません。でも、我々は全部やりました。1カ月くらいかけて稽古をしました」と明かす。

そこには監督のある意図があったという。「なぜそうしたかというと、内面から私たちの心を近づけていく、心をひとつにして、演技に入っていくためにやったのではないでしょうか。それはこの映画だけはなく、『彼女が消えた浜辺』の時も稽古の時間が長かった」と述懐。そのうえで「とても厳しい監督ですが、私は厳しい監督と仕事をすることを目指している」とストイックな姿勢をみせ、「(監督の)期待が高いと成長することができるので、自分には合っていると思っています」と名匠への深い信頼をのぞかせた。
また、1月にトランプ米大統領が出したイスラム国家7カ国への入国制限措置に抗議し、ファルハディ監督と共にアカデミー賞授賞式をボイコットしたことに対しては、「7カ国の人だけではく、全世界がこの措置に驚いていた。今の時代は、国籍、カラー、宗教、ナショナリティで区別や差別を受ける時代ではない。ですから全世界が怒りを覚えたのだと思います」と訴えた。
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