「セールスマン」主演女優が心を打たれたオスカー授賞式の光景とは
2017年6月9日 22:30

[映画.com ニュース] 第89回アカデミー賞で外国語映画賞を獲得した、イランの名匠アスガー・ファルハディ監督による「セールスマン」の試写会が6月9日、東京・千代田区の日本記者クラブで行われ、主演女優のタラネ・アリシュスティが上映後の会見に出席。アリシュスティは「(日本は)おもてなしが本当に上手な国だと思います。とても居心地がよくて、また時間をおいて訪れたい」と初来日の感想を述べ、映画というメディアの利点は「(異なる国の人々が)互いのことを知ることができる」と語り、本作の日本公開を喜んだ。
本作は、小さな劇団に所属し、作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演している役者の夫婦の姿を軸に描く人間ドラマ。ある日、転居したばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、ふたりの穏やかだった生活が一変。事件を表沙汰にしたくないと警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべくひそかに犯人捜しを続ける。
2017年1月、ドナルド・トランプ米大統領が発令したイスラム国家7カ国の入国制限に抗議し、アカデミー賞授賞式をボイコットしたアリシュスティ。授賞式当日は、イランでテレビドラマの撮影をしていたという。「(発表時は)朝の5時でした。ファルハディ監督は『別離』でも同賞を獲得していたので、受賞の確率は高いと感じていました」と当時の思いを述べると「授賞式では会場に集まった他の国の方々が、我々のために発言や抗議してくれたということがが本当に素晴らしかった。映画人だけではなく、皆同じ意見を持っていました。授賞式に参加することよりも、彼らの言葉の方が嬉しかったのです」と胸中を明かしていた。
また、検閲の厳しさで知られるイラン映画業界に関して問われると、ファルハディ監督と4度目のタッグを組んで製作した本作に関しては「特に問題は生じなかった」ようだ。「今のイラン映画界で作品をつくっている人々は、制限を理解してて製作に臨んでいます。検閲にひっかかれば話し合いをして、納得させるかするかのどちらか。製作者は、どの道を歩けばよいかわかっているんです。今の状況を見ると、政治家と芸術家は上手くやっていけている気がします。今後はもっともっと両者の距離が近づいていくはずです」と説明していた。
「セールスマン」は、6月10日からBunkamuraル・シネマほか全国順次公開。
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