カトリーヌ・ドヌーブの後継者とは?フランス映画の専門家が旬の3女優を推薦
2017年6月9日 17:00
[映画.com ニュース] 「アーティスト」で第84回アカデミー賞主演男優賞を獲得したジャン・デュジャルダンと、「エル ELLE」(8月25日公開)が控えるビルジニー・エフィラが共演したラブストーリー「おとなの恋の測り方」の公開を記念したトークイベントが6月8日、フランス文化センターの東京支部アンスティチュ・フランセ東京で開催された。アンスティチュ・フランセ日本の映画プログラム主任・坂本安美氏が登壇し、“今旬女優”としてエフィラの魅力を語った。
敏腕弁護士のディアーヌ(エフィラ)は、携帯電話を拾ってもらったことが縁で建築家のアレクサンドル(デュジャルダン)と知り合う。茶目っ気たっぷりで紳士的なアレクサンドルにディアーヌはひかれていくものの、唯一の欠点である“自分よりずっと身長が低い”部分がディアーヌを悩ませる。「プチ・ニコラ」で知られ、次回作でもデュジャルダンと組む予定のローラン・ティラール監督がメガホンをとった。
坂本氏は、フランス映画について「1つの芸術表現の中で、日本や外国のものであってもいいものはいいと評価して自分たちの中に取り入れる。ハイブリッドなところが魅力」と評する。フランスを代表する女優としてカトリーヌ・ドヌーブを挙げ、「1本の映画の中で予測不可能な存在として存在する」と役柄の幅広さや演技力の高さ、存在感について言及。“ドヌーブの後継者”としてエフィラを含む女優3人を紹介し、出演作の映像を流しつつ解説した。
坂本氏によると、1977年にベルギーで生まれたエフィラは、リアリティ番組の司会で人気を博し、04年ごろから女優業をスタート。エフィラの魅力として「歩いている姿が美しい。颯爽(さっそう)としていて、映画も彼女と一緒に動き出すような躍動感がある。声も少し低く、ドスがきいていてグッとくる」と解説し、「『おとなの恋の測り方』では、彼女の動く姿を堪能してほしい」と“通”な見方を指南。「エル ELLE」についても「出演シーンが多くはないんですが、ここぞという場面で彼女が出ることでぎゅっと引き締まる。ポール・バーホーベン監督の次回作では、主役級の役をやるそうです」と期待を寄せた。
さらに、坂本氏は「彼は秘密の女ともだち」「バードピープル」で知られる演技派アナイス・ドゥムースティエ、サーカス出身で歌手としても活躍し、「7月14日の娘」や「エル ELLE」に出演するビマラ・ポンスに注目しているという。ドゥムースティエを「まっすぐ見ているのに目がくるくると動く。小鳥のよう」、ポンスを「これまでのフランス映画で見たことがない肉体美の持ち主」と称える。3人の共通項として「スキャンダラスな存在であること。予測不可能さを受け入れ、実践している。閉塞感を打ち破ってくれる」とエールを送った。
「おとなの恋の測り方」は、6月17日から全国公開。
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