来日中のヒュー・ジャックマン「LOGAN」は最後だからこそ最高の“決定版”!
2017年5月25日 15:30
[映画.com ニュース] 来日中のヒュー・ジャックマンとジェームズ・マンゴールド監督が5月25日に都内で行われた記者会見に参加し、アメコミ映画の礎(いしずえ)を築いたウルヴァリンことローガンの最後の雄姿を描く「LOGAN ローガン」の舞台裏を語った。
ミュータントのほとんどが死滅した近未来。治癒能力が失われつつあるローガン(ジャックマン)は、プロフェッサーXことチャールズ・エクゼビア(パトリック・スチュワート)と共に荒野の廃工場でひっそりと暮らしていた。そんな折、2人を頼ってやってきた少女ローラ(ダフネ・キーン)を守るべく、ローガンたちは謎の組織との戦いに身を投じる。
「X-MEN」(2000)から17年間、9作にわたってウルヴァリンを演じてきたジャックマンは「最後だからこそ最高のものにしたい、新鮮で新しくて深い、“決定版”にしたいと思った。今はすごく平和というか幸せだよ。完成品を見て安どしたし、監督には世界最高の贈り物をいただいた。もしいつか孫ができて『どれを見るべき?』と言われたら本作を薦めたいと思うし、それにふさわしい作品になったと思う」とほほ笑む。
対するマンゴールド監督は「従来のヒーロー映画のような、町や惑星や、あるいは自分自身を“救う”作品にはしたくなかったんだ。ヒューもそれを求めていたし、まったく異なるものを作りたいと思っていたんだよ」と熱い思いを語り、「(制作に取り掛かる前に)R指定で行きたい、とスタジオに伝えたんだ。大人向けのドラマを撮りたかった。事前に伝えることで、暴力描写や言葉遣いだけでなく、自由に作ることができたんだ。例えば、強盗のシーンは7分ある。でもこれがR指定じゃなかったら、中年男性2人が体の衰えについて7分も話すのは子どもたちには耐えられないだろうからね。でも、本作が現在までに物議をかもしていないのは、ハートがあるからだと思う」と手ごたえをにじませた。
本作には現代アメリカの世相を反映したシーンも多く登場するが、ジャックマンは「大統領選の前のディベートで、“壁”の話が出たときに、すでに本作の脚本には壁の記述があり、誰かリークしたのかなと思ったよ。これは監督が世の中を見渡している証拠といえるよね」と明かす。マンゴールド監督は「映画というのは常に世相を反映しているべき。でも、最近の映画は飴のように口に入れるとなくなってしまう。空っぽのものが多いんだ。だから、世相を反映したり適切だったりすると大胆であると思われてしまうんだ」と警鐘を鳴らした。
キーンについて話が及ぶと、マンゴールド監督は「自分が役者に求めることというのは思考力。顔を撮影しただけでも、何を思っているのかが伝えられる人。ダフネに関しては、彼女のお父さんがiPhoneでビデオを送ってくれたんだが、まさにそんな人物だった。目がとても生き生きして、伝わってくるものがあったんだ」と絶賛。ジャックマンは「ダフネの役は追加で出てきたんだ。家族や愛がテーマの本作において、11歳の子どもを出すというアイデアは素晴らしいと思った。とはいえ、この役を演じられる子役を見つけるのは不可能じゃないかとも思っていた。ローラにとって、20人と戦うことは簡単でも人を愛する、家族を持つというのはすごく大変。俳優としてもものすごく高いハードルだと思っていたのに、彼女は楽々とやってのけるんだよ。彼女を見つけられたことは奇跡だと思う」と感慨深げに語った。
「LOGAN ローガン」は、6月1日から全国公開。
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