木村拓哉「無限の住人」カンヌ披露に手応え 三池監督&杉咲花も充実の面持ち
2017年5月20日 12:10

[映画.com ニュース] 第70回カンヌ国際映画祭の2日目を迎えた5月18日(現地時間)、三池崇史監督の「無限の住人」がアウト・オブ・コンペティション部門で披露され、三池監督、木村拓哉、杉咲花が揃ってレッドカーペットに登場した。
会場の前には早くから陣取っていた日本人ファンの姿も見え、木村が送迎車から降りると、カンヌには珍しい黄色い歓声が響き渡った。ウォン・カーウァイ監督の「2046」以来、久しぶりのカンヌとなった木村と、真っ赤な振袖姿が鮮やかな杉咲のふたりはやや緊張した面持ち、かたやカンヌ参加は6作目となる三池監督は、ふたりに囲まれ余裕の笑顔を見せていた。
ヨーロッパでは、特にエキセントリックなジャンル映画の監督として人気を誇る三池監督。会見では海外の記者から、西部劇と時代劇の共通性など、突っ込んだ質問も飛び出したが、「確かに法的に暮らしにくい時代だった点など共通性がある。時代劇は展開が早いし、自分のとても好きなジャンル」と表現。また、「万次を演じられるのは木村拓哉しかいないと思った。彼につまらないと思う瞬間を与えないこと、それが自分にとってチャレンジだった」と強調した。木村は、「完全なるメイド・イン・ジャパンの作品で今回参加できたことが大きな違い。三池監督のおかげでカンヌに戻ってこられたことに、本当に感謝している」と語った。
ビジュアル面ではバイオレントでスプラッター的な描写が多いにもかかわらず、公式上映中はたびたび笑い声が響き、クライマックスでは拍手が沸き起こった。また上映後は、スタンディングオベーションで迎えられるなど、やはり三池人気の高さをあらためて感じさせられた。
上映後に行われた日本人記者団の取材では、木村が「花ちゃんの振袖姿にカメラマンが興奮してすごかったですよ」とニッコリ。杉咲は、「木村さんには英語をたくさん通訳して頂きました(笑)。レディファーストで紳士に接してくださったので、とてもありがたかったです。カンヌってこんな場所なんだなとか、お客さんはこんな反応をするんだとか、いろいろ体験できてとても幸せでした」と語った。
木村は、さらに会場の雰囲気について「階段を上っているときは緊張もあったんですが、会場に入って拍手で迎えられた瞬間に、急にお客さんが近い感じに思えてリラックスできました。こちらのお客さんは映画の見方、楽しみ方が本当にカジュアルでストレートなので、とても素敵だなあと。言葉ではなく気持ちで、みなさんが見終わったあと表現をしてくださったことが本当に嬉しいです」と大きな手応えを感じたことを露わにした。三池監督は、「あらためていい映画だなと思いました(笑)。心地よい時間を過ごせて、監督としてこれ以上の幸せはないと思いました」と喜びをかみしめている様子だった。(佐藤久理子)
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