町山智浩、「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」の悪役キャラ設定を絶賛
2017年5月18日 15:00
[映画.com ニュース]永井豪氏原作の日本アニメ「鋼鉄ジーグ」を下敷きにしたイタリア映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のトークイベントが5月17日都内であり、映画評論家の町山智浩氏、作家の樋口毅宏氏が作品を語った。
映画は日本アニメの大ファンというガブリエーレ・マイネッティ監督が、1979年からイタリアで放映された「鋼鉄ジーグ」に熱烈なオマージュを捧げた作品。ふとしたきっかけで超人的なパワーを得てしまった孤独なチンピラの主人公が、その力を用いてテロの脅威からローマの人々を救う物語。2016年イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞最多7部門受賞した。
本編上映前のイベントのため、両氏は物語の核心には触れず、永井氏のアニメや日本の特撮作品が海外で人気を集め、「パシフィック・リム」などその後海外の数多くの映画に影響を与えている現象について熱く語る。町山氏は「永井さんはヨーロッパやアメリカではカリスマで、スタン・リーと同じように尊敬されてる。『グレンダイザー』はフランスの国民的アニメ」と解説した。
また、町山氏は、本編に登場する悪役のジンガロのキャラクターがお気に入りだそうで「キャラが濃くて何も考えてない。アメリカのスーパーヒーローものには出てこれないキャラ」と絶賛し、「基本的にヤクザ映画」と、マフィア以上に暗躍する組織が存在するナポリの裏社会にも言及。そして、最後に「見始めた最初は、物語がどこへ行くんだろう、大丈夫かなと思いましたが、後半でちゃんとしたヒーローアクションになる」(町山)、「アニメーションや主題歌など、全編リスペクトです」(樋口)と見どころを語った。
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」は、5月20日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。