新世代女優・堀春菜が挑んだ塚田万理奈監督「空(カラ)の味」
2017年4月27日 04:00

[映画.com ニュース] 第10回田辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリ、映検審査員賞、市民賞、女優賞と主要賞独占の4冠の快挙を成し遂げた塚田万理奈監督作「空(カラ)の味」が、5月1日からテアトル新宿で公開される。本作に主演して女優賞に輝いたことも弾みとなり、“インディペンデント映画の若きミューズ”と称される20歳の堀春菜が、作品や役への思いを語った。
「空(カラ)の味」は、「還るばしょ」(14年)で第36回ぴあフィルムフェスティバル、第8回田辺・弁慶映画祭など、多くの映画祭で高い評価を得た塚田監督の初長編映画。摂食障害に悩む女子高生が、ある女性との出会いによって解放されていく姿を描いたもので、「誰にも話さなかった私のことを撮りました」という塚田監督の実体験に基づいている。
堀は、佐藤快磨監督「ガンバレとかうるせぇ」に主演し銀幕デビューを果たした。その後も「time」(中川駿監督)、「ぼくらのさいご」(石橋夕帆監督)に相次いで主演し、今後の活躍が期待される新世代女優の1人として注目を集めている。「空(カラ)の味」は重くなりがちなテーマだが、清楚なイメージの強かった堀が孤独や自身と格闘する主人公の女子高生を体当たりで熱演した。
「塚田監督から作品や主人公への思いなどをつづった長文の手紙もいただいて、監督が本気できてくれるなら、本気で返したいと思いました。塚田監督がフィルムで撮った『還るばしょ』と『あぐりとなな』を見て、本物が見える瞬間みたいなものが塚田作品にはある気がしていました」と出演を決めた理由を語る。
ただ、「最初はすごく戸惑いました。私が演じていいのかなという思いとか、本人が隣にいる状況で撮影が進むので、絶対に超えられないなという悔しさとかもありました。そうしたら撮影に入る前に『私の真似はしないで欲しい、そんなに難しく考えなくていいよ』と言ってくれて気持ちが楽になりました」と振り返り、「摂食障害ではあるけど、その家族や友だちの話とかが、誰にでも当てはまるところが多い作品だと思います」という。
そして、「まだ冷静に見られていないんですけど、しっかりと脚本を読んで、監督の思いを聞いて、一生懸命考えてやれば、本物の瞬間が出る時があるんだなと思いました。現場は塚田監督と私、カメラマンも泣いているという結構カオスでしたが、共演者の方たちには本当に助けていただいて、撮影の時は一緒に暮しているから、スタッフさんたちもみんな家族みたいな感じでした」と、女優として得られたものは大きかったようだ。
作品は、同館で4月29日から始まる「田辺・弁慶映画祭セレクション2017」で上映されるが、「高校生の時にいろいろ私も悩んだりしました。その頃に見られていたら何かヒントは得られる作品なのかなと思うので、高校生に見てもらえたら嬉しい」とし、「私は渦の底から」で第10回田辺・弁慶映画祭の映画.com賞を受賞した野本梢監督の新作「私が発芽する日」にも出演しており、同セレクションで上映される。
また、「セブンティーン、夏 北杜」(富樫森監督)、日韓合作映画「あなたの宇宙は大丈夫ですか?(仮)」(ベク・ジェホ監督)などの年内公開も控えており、今後は「アクションにも挑戦してみたい」と、女優としてのさらなる成長に意欲をみせた。
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