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オスカー俳優マハーシャラ・アリ「ムーンライト」は「手を差し伸べる人の話」

2017年3月28日 09:00

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テレビドラマ、映画を問わず幅広く活躍
テレビドラマ、映画を問わず幅広く活躍
(C)2016 A24 Distribution, LLC

[映画.com ニュース] 人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」や「ルーク・ケイジ」で知られ、「ムーンライト」でアカデミー賞助演男優賞を初ノミネートにして初受賞したマハーシャラ・アリの6分弱にわたるインタビュー映像が、公開された。

ブラッド・ピットが製作総指揮を務め、第89回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、助演男優賞に輝いたヒューマンドラマ。米マイアミの貧困地域で暮らす黒人少年シャロンが、自分の居場所を求めてさまよう姿を幼少期、少年期、青年期の3つの時代構成で描く。アリは、幼少期のシャロン(アレックス・ヒバート)の父親代わりとなる麻薬ディーラーのフアンに扮し、包み込むような優しさをまとった演技を披露している。

アリは、本作を「人とのかかわりを描く作品。自分の住む地域で受け入れられない人間の話だ。人間はある意味、外見で人を判断する。また、手を差し伸べる人の話でもある。自分を愛してくれて、浮き輪を投げてくれる人だ。シャロンに対するフアンがそうだね」と役どころを踏まえて解説する。

「フアンはシャロンの人生の先生かな」といい「シャロンは地元のヤクの売人(フアン)から学ぶんだ、生きるすべや愛をね。この予期せぬ人物からサポートを受けるのが面白い設定だと思う。でも2人の素晴らしい関係は少し複雑なんだ。シャロンの母親はヤク中だからね」とナオミ・ハリス演じるシャロンの母ポーラを絡めた関係性について言及。ヒバートやハリスとの共演を振り返り「(アレックス・ヒバートは)人の意見に耳を傾けるし、やりやすい子だった。それだけでなく、自分の勘にも従う。演技がうまくいかないと、自ら止めて申し出る。よりよい演技を自分に課していてその姿勢は見事だったね。(ナオミ・ハリスとの共演は)まるで大西洋の真ん中ですれ違ったみたいだ。こっちは生き残ろうとしているが、向こうは刺客なんだ。彼女はとてつもない女優で、共演するだけでスリリングなんだよ」と笑みを浮かべる。

俳優陣の味わい深い演技も本作の大きな魅力だが、月光や水を象徴的に描いた叙情的な映像や、恋の痛みを繊細に描いた情感豊かなストーリーもアカデミー賞をはじめ各方面から絶賛を浴びている。アリは、本作が長編2作目となる新鋭バリー・ジェンキンス監督の手腕を「すごく独創性がある。変なんだが“兄弟”って感じがあるんだ。ほかの俳優と仕事をしていると波長が合うってことがあるけれど、バリー(・ジェンキンス)の場合は仕事の取り組み方にすごく触発された。1番すごいところは、沈黙の使い方が見事なんだ。それから、俳優に判断する余地を与えるところ。言い回しや動き方なんかのね。バリーは僕らに役作りをする時間をくれたんだ」と称賛している。

ムーンライト」は、3月31日から全国公開。


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