激突!ハリウッドVSトランプ 舌戦50日間を総括 後編
2017年3月12日 04:00

[映画.com ニュース] ドナルド・トランプ大統領の誕生から3月10日で50日。昨年11月の当選時から、ハリウッドではアンチの嵐が吹き荒れていましたが、その勢いは増すばかり。今回は、ハリウッドVSトランプ騒乱の50日間におよぶ舌戦の後半戦を振り返ります。
ベルリン国際映画祭が2月9日に開幕。審査員を務めたマギー・ギレンホールが「私の国には抵抗する心構えの人たちがたくさんいる」と世界にアピールすれば、リチャード・ギアは「トランプの行為でもっともヒドいのは、難民とテロリストをいっしょくたにしたことだ」と糾弾。ドイツにも反トランプの風を吹かせました。
2月12日には、音楽界の最高峰グラミー賞授賞式が開催。ケイティ・ペリーはヒラリー・クリントンを彷彿とさせる白いパンツスーツでパフォーマンスし、ビヨンセは受賞スピーチで人種差別のない未来を願いました。そして極めつけは、「抵抗しろ、抵抗しろ、抵抗しろ!」と呼びかけたア・トライブ・コールド・クエスト。この1週間前のスーパーボウルのハーフタイムショーでは、レディー・ガガが大方の予想に反して、政治的な抗議メッセージを発信しなかっただけに、政治色たっぷりのグラミー賞はガツンと響きましたね。
アカデミー賞授賞式直前の2月24日、大手芸能事務所UTAが毎年恒例のオスカーパーティの代わりに、反トランプ集会を開催。これまで政治的イベントから距離を置いていたジョディ・フォスターが、「こんな時だからこそ、人前に出て、立ち向かうべき」と反トランプ陣営に参戦。カナダ出身で米国籍を取得したマイケル・J・フォックスは、「移民排斥は、人間の尊厳への攻撃」と入国制限令を非難しました。また、フランスのセザール賞で名誉賞を受賞したジョージ・クルーニーは、「憎しみを勝たせないように努力しなければいけない」と大西洋の向こうから決意表明。オスカーに向けた異様な盛り上がりに、ハリウッドのいまが垣間見えました。
賞シーズンの締めくくりとなる2月26日のアカデミー賞授賞式でも、皮肉を込めたジョークからまじめなスピーチまで、トランプ批判が吹き荒れました。集中砲火を浴びた大統領は翌日、「政治のことに集中しすぎて、最後はガタガタだった」と、作品賞の誤発表という前代未聞のハプニングにツッコミ。相手の弱みを見逃さない抜け目のなさ、大統領選の時と変わっていません。
一部メディアがトランプ政権と激しく対立する中、トム・ハンクスが、ホワイトハウスに張り込んでいる記者たちにエスプレッソマシンをプレゼント。「真実、正義、そしてアメリカの流儀のため、果敢に戦い続けてくれ」と鼓舞しました。その一方で、イギリスの名優サー・パトリック・スチュワートが、トランプ政治と闘うために米市民権を申請するなんてニュースも。賞レースが終わったいま、スターたちはいろいろな対トランプ戦術を模索しているのかも。
3月8日の国際女性デー、アメリカの女性たちは「A Day Without A Woman」というストライキを決行。全米各地で開催されたデモに参加したセレブは少なかったようですが、Instagramには賛同メッセージがいっぱい。トランプ大統領は「この国際女性デーという日に、アメリカや世界中で重要な役割を担っている女性たちへ、私と一緒に敬意を示そう」と呼びかけましたが、過去の失言・暴言を帳消しにするにはまだまだ時間がかかるでしょう。
今回ご紹介できたのは、ほんの一部。2カ月足らずでこの白熱ぶりですから、ハリウッドにとっても、トランプ政権にとって長く険しい4年間となりそうですね。
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