尾関玄監督、長編デビュー作ヒロイン・佐藤菜月は「美しさが飛び抜けていた」
2017年3月4日 13:55
[映画.com ニュース] 東日本大震災後の福島を舞台に、4人の中学生たちのひと夏の経験と成長を描いた映画「ハルをさがして」が3月4日、開催中の「ええじゃないか とよはし映画祭」で上映された。メガホンをとった尾関玄監督、出演の佐藤菜月が、愛知・開発ビルでのトークイベントに臨んだ。
映画は、都内の学校に通う中学3年生のノボルが、東日本大震災後に両親と福島から東京へと自主避難してきた転校生・千恵子の愛犬ハルを探すため、千恵子と2人の同級生とともに福島に向かう姿を描く。
愛知・春日井出身の尾関監督は、本作で長編映画デビューを果たした。「デビュー作と言えば聞こえがいいが、いわゆる自主製作映画。自費で製作、完成させて、宣伝配給も自らやっている手作り感のある作品」と説明し、そのうえで「小さな作品が立派な映画祭で上映されて、本当に良かった」と本映画祭参加の喜びを語った。
さらに「ヒロイン・千恵子役に佐藤を起用した決め手」を問われた尾関監督は、「各事務所さんに声をかけたら、かなりの人数の方に来ていただいた。オーディションの2回目(2次審査)はワークショップ形式で、そこで最終的に3、4人に絞ったんです。誰にするか悩んでいる時、オーディション中にまわしていたカメラの映像を見たら、映像に映える美しさが佐藤さんは飛び抜けていたので、お願いさせていただきました」と明かした。
そうして多数の応募者のなかから、ヒロインの座を射止めた佐藤。撮影中も演技などの練習を欠かさなかったそうで、尾関監督は「福島に入ってから、スタッフとキャストは同じ宿舎に泊まっていた。撮影を終えて帰ってくると、スタッフは飲んでいたが、子どもたち4人は自主トレをしていた」と告白。佐藤が「やっていましたね。スタッフさんが酔っ払っているなか、私たちは練習していました(笑)」と振り返ると、尾関監督は「すみません……」と平謝りだった。
「ええじゃないか とよはし映画祭」は、3月5日まで穂の国とよはし芸術劇場PLATをメイン会場に行われる。