企画書段階で出演即決!「愚行録」石川慶監督、妻夫木聡の熱意に感嘆
2017年1月28日 12:00

[映画.com ニュース] ロマン・ポランスキーらを輩出したポーランド国立ウッチ映画大学出身で、妻夫木聡と満島ひかりが兄妹役で共演した「愚行録」で監督デビューを飾った石川慶が1月27日、都内で行われた本作の試写会イベントに出席。映画を見終えたばかりの観客とのティーチインに臨んだ。
貫井徳郎氏の直木賞候補となった同名小説を実写映画化。未解決の一家惨殺事件の真相を追う週刊誌記者・田中(妻夫木)が、取材を進めていくなかで、関係者たちの隠された本性を目の当たりにする。小出恵介、臼田あさ美、市川由衣、松本若菜、中村倫也、眞島秀和、濱田マリ、平田満ら豪華キャストが顔をそろえた。
ティーチインに初参加だという石川監督は緊張気味に登場したものの、観客からはカメラワークやキャラクター描写についての鋭い質問が次々と飛び交った。最終的に、石川監督が「可能であれば、1人1人とお茶を飲みながら話を聞きたい」と名残惜しそうな表情を見せるほど白熱した場となった。
劇場映画デビューに際し、プロデューサーと本選びを行うなかで原作に出合ったという石川監督は「本を読んだときに、ディテールが豊かで、登場人物がどいつもこいつもな感じでしたが、でも同じテーブルに自分もいるような、そんなに遠くない気がした。ポーランドから日本に帰ってきて、東京に出てきて息苦しいなと感じていたときのような、自分の置かれている日本の縮図を感じたんです」と独特の表現で当時を述懐。映画化には妻夫木の力が不可欠だったといい「妻夫木さんは最初に手を挙げてくださった。脚本はまだできていない段階だったんですが、企画書と僕の撮った短編を見てくれた妻夫木さんが『やりたい』と言ってくれなかったら動かなかった」と感謝を述べた。
「簡単な役ではない」という田中の妹・光子を演じた満島とは「現場でもそれ以外でも、とにかく話し込んで作っていった」と二人三脚で役を作っていった。「あるシーンで、段取りも終わって撮影、となったときに満島さんから『ちょっと話したい』と言われてそのまま30分とか1時間話した」こともあったという。満島の演者としてのこだわりの強さが感じ取られるエピソードだが、石川監督は、役作りのために自らを追い込んでいった満島を「真正面から本気でぶつかってる人」と称えた。
ポーランド映画好きという観客からの質問に対しては、「自分の映画文法のかなりの部分がポーランド語。大御所の名前を出すのはおこがましいんですが、シャワーのシーンを客観的に見たときに『ポランスキーっぽいな』と思った」と照れ笑い。「過去と現在の区別をつけるときに、レンズをまったく違うものにして過去のほうがキャラクターに近づけられるように画づくりをしました」と演出意図を明かすなど観客との質疑応答を楽しんだ石川監督は、「皆さんの叱咤激励が僕の明日のかてになっていきます」と真摯な姿勢を示した。
「愚行録」は、2月18日から全国公開。
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