「未来を花束にして」で描かれた参政権運動指導者のひ孫が来日&高校生に特別授業
2016年12月1日 20:30

[映画.com ニュース] 1910年代のイギリスで参政権を求めた女性たちの戦いの日々を描く「未来を花束にして」に登場した、WSPU(女性社会政治同盟)のリーダーであるエメリン・パンクハーストのひ孫にあたるヘレン・パンクハースト氏が来日し12月1日、東京・杉並区の都立西高等学校で特別授業を行った。
映画は、メリル・ストリープがエメリン役を務めるほか、ヒロインに扮したキャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム・カーター、ブレンダン・グリーソン、アンヌ=マリー・ダフ、ベン・ウィショーといったそうそうたるキャストが結集。洗濯工場で働く24歳のモード(マリガン)が、エメリンたちに感化されて参政権運動に身を投じていくさまがつづられる。
女性や子どもの貧困解決を支援するNGO団体“ケアインターナショナルUK”のキャンペーン・アンバサダーを務めるほか、家庭内暴力にさらされている女性を援助する“パンクハースト・センター”の設立者でもあるパンクハースト氏。本作の製作においては脚本協力のほか娘のローラ氏とカメオ出演もしている。
生徒約40人からは、映画で描かれた10年代の英社会の現状と現代日本を比較し、参政権や性差別といった観点から“男女平等な社会の在り方”について意見が相次いだ。パンクハースト氏は生徒たちの積極的な姿勢に目を細め、それぞれの意見に熱心に耳を傾けていた。「政治というのは声を上げている人のためのもの。私たちが考えなくてはならないのは、じゃあ声を上げている人は誰なのか。富裕層とある特定の階級の人になってしまったら、(政治が)その人たちの代表になってしまう。我々がすべきことというのは、今の状態をそれでよしとするのではなく、常に行動すること」と呼びかけた。
劇中では、ポストを爆破し、店に投石するなど、なりふり構わずに声を上げる女性たちが登場し、投獄されても志をつらぬく気高い生きざまに焦点を当てている。生徒からは、モードたちの過激な行為に対して戸惑いの声も出たが、パンクハースト氏は「彼女たちはただ、政府にいつ参政権が求められるかを知りたかっただけ。最初からやりたかったわけではない」と理解を示し「我々が当たり前のものとして享受しているものを得るために、さまざまなもの、あるいは人生を犠牲にしてたくさんの女性たちが戦った」と100年前に生きた女性たちに思いをはせた。
「未来を花束にして」は、2017年1月27日から全国公開。
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