デビッド・イェーツ監督「ファンタビ」と「ハリポタ」の最大の違いは“没入感”
2016年11月26日 16:00

[映画.com ニュース] 「ハリー・ポッター」の新シリーズ「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(公開中)を手がけたデビッド・イェーツ監督がキャストを率いて来日し、映画.comのインタビューに応じた。
本作の舞台は、1926年の米ニューヨーク。ハリー・ポッターの“先輩”に当たる魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)を主人公に、新たな魔法界の物語が紡がれる。ニュートが世界中を旅して保護した魔法動物たちが暮らす“魔法のトランク”から、数体が脱走。魔法界のみならず人間界もパニックに陥り、ニュートは魔法動物の捕獲に奔走する。
「ハリー・ポッター」シリーズを共に作り上げてきた名プロデューサー、デビッド・ハイマンから脚本が送られてきたとき、イェーツ監督の胸には「興奮と緊張」が去来したという。「脚本を手がけたのは(『ハリー・ポッター』の原作者)J・K・ローリングだし、彼女自身が“同じことはやりたくない”という考えを持った人だから大丈夫だという思いは勿論あったが、“これは自分向けの作品じゃない、と思ったらどうしよう”という恐れもあったんだ。だが、そんな思いは1ページ目を開いた途端に消え去ったよ。とても情緒があり、愉快なものだったからすごく興奮した」と柔和な笑みを浮かべる。
「ハリー・ポッター」シリーズの第5作以降すべてのメガホンをとってきたイェーツ監督が魅了されたというなら、ファンの熱狂は想像に難くない。現に、母国イギリスでは今年公開された映画の中でNo.1ヒットの滑り出しを見せているほか、世界興行収入は公開後約1週間の時点で2億7000万ドルをたたき出している(11月25日現在)。新シリーズの幕開けに世界が歓喜している証拠だが、イェーツ監督は、過去シリーズと本作の大きな違いとして“没入感”を指摘する。「小説を映画化した『ハリー・ポッター』だと、原作を省略したり編集してつなぎ合わせなければならないが、本作はJ・K・ローリング自身が初めから映画として届けているから、とても没入できるんだ。誰も先を知らないからこそ、物語や作品世界に真の意味で没頭できるんだよ」。
本作の特性をさらに強めるべく、ローリングとがっぷり組んで「どれだけ書き直したかわからない」ほど脚本の精度を高めていったというが「視覚的にも遊び心のある楽しいシーンを入れたい」と監督自ら現場で提案。その1つが、早くも人気を獲得している魔法動物ニフラーとニュートが追いかけっこをするシーンだ。「ニュートがニフラーを追いかけて宝飾店でドタバタを繰り広げるシーンがあるけれど、あれは元々脚本には描かれていなかったんだ。あのシーンは、自分が好きだったサイレント映画の影響も受けている。よく“映画というのは3回作る”というんだが、第1の段階が脚本、次が撮影だ。流れを見たり、セリフを抜いたり足したりして現場で作っていく。そして第3の段階は編集だね。脚本の順が必ずしも適切じゃない場合もあるから、トーンやバランスを見ながら、自分たちが求めているところに到達するべく作っていったよ」。
また、本作自身の核でもあり、イェーツ監督も注力したのが、ニュートと行動を共にする魔力を持たない人間(ノー・マジ)のジェイコブ(ダン・フォグラー)との関係性だ。人見知りのニュートは、ひょんなことからジェイコブと出会い、徐々に心を開いていく。ジェイコブもまた、ニュートの相棒として頼もしさを発揮。魔法使いと人間のタッグはシリーズ初だが「ちょっと野心的かな?とも思ったんだが、男性同士の仲のよさ、ブロマンス(深い友情で結ばれた男性同士の関係)を出したかったんだ。終盤のジェイコブとニュートの対話シーンで、ニュートがあるセリフを言う。ニュート自身は友達がいない人だからこそ、重要なものといえるね。“男の友情”を象徴しているんだ」と見どころを語った。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

片思い世界
【“鑑賞確定”の超期待作】広瀬すず×杉咲花×清原果耶主演×「はな恋」製作陣…そして涙腺崩壊へ
提供:リトルモア

ミッキー17
【前代未聞のオール社畜レビュー】史上最凶のブラック仕事を描いた痛快作…社畜が観たらどうなった!?
提供:ワーナー・ブラザース映画

侍タイムスリッパー
【ついに見放題“最速”配信中!!!】観たかった人も、何度も観た人も今すぐ観て!【ネタバレ厳禁】
提供:JCOM株式会社

この村の住人は、人間を喰ってる――
【衝撃の問題作】異常なクオリティで世界が熱狂…“絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー

観ないとぜっったい後悔する
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ

映画を安く観たい人、絶対にチェックして!
【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI

厳選した名作“だけ”をあなたに。
【探す時間、ゼロ】家のテレビが「あなただけの24時間シアター」に!(提供:BS10 スターチャンネル)