松雪泰子がYuki Saito監督が現代版「古都」を京都で撮った意義を熱く説く
2016年11月16日 18:19

[映画.com ニュース]川端康成の代表作を松雪泰子主演で映画化した「古都」の京都プレミアイベントが11月16日、ウエスティン都ホテル京都で行われた。着物姿の松雪は、エンディング曲「糸」を歌った新山詩織、メガホンをとったYuki Saito監督とともに登壇した。
晩年の川端が同ホテルを定宿にしていたそうで、映画に出演している書画家・小林芙蓉氏が毛筆で「縁」としたためるパフォーマンスを披露し、プレミアイベントは幕を開けた。松雪は、「京都で生まれた作品を、こうして京都の皆さんにお披露目できる日を迎えられて嬉しく思います」と安堵の面持ちを浮かべた。
映画は原作では描かれることのなかった、大人になった主人公たちの物語として描いている。松雪は一人二役に挑み、生き別れた双子の姉妹を熱演。完成した本編を見たとき、「深く静かに、丁寧に時間が進んでいく作品だと思いました。最近はなかなか映画館で、自分と対話しながら向き合う作品がないですが、すごく豊かな作品になったんじゃないでしょうか」と明かす。
米ハリウッドを活動の拠点にしていたSaito監督は、2年間におよぶ準備期間に思いを馳せた。「ロケハンで『いいな』と思った町屋の住所をメモしていたのですが、いざ撮影でカメラを回す段階になったとき、何軒もの町屋が壊されてなくなってしまっていた。1軒や2軒じゃないんです。そういったことも含め、今の京都を撮らないと、残さないと…という気持ちでした」と一点を見据えながら語り、単なるリメイクではなく、現代版として製作した意義を説いた。
これには松雪も、「京都で生きるということはどういうことなのかを常に考えていました。私は俳優ですので、出来る限り肉体を通して体現することで、文化を伝えることができたらいいなと感じながら臨んでいました」と深く同調。そして、「監督ともより良いセッションを重ねることができました。一生忘れられないくらい濃密な時間を、京都で過ごすことができた」とほほ笑んだ。
出演している妙心寺退蔵院の松山大耕副住職も登壇し、「5秒くらいしか出ていない」と冗談めかしながらも、「Saito監督が京都の人だったら、撮れていなかったと思う。外から日本を見てきた方だからこそ、こういう作品になったんだと思う」と話していた。なお、この日は新山がギターの弾き語りで「糸」を披露し、喝さいを浴びた。
「古都」は、11月26日から京都で先行上映され、12月3日から全国で公開。
フォトギャラリー
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

“ベスト主演映画”TOP5を発表!
【出演123本の中から、1位はどの作品?】そして最新作は、生きる力をくれる“集大成的一作”
提供:キノフィルムズ

ワン・バトル・アフター・アナザー
【個人的・下半期で最も観たい映画を実際に観たら…】期待ぶち抜けの異常な面白さでとんでもなかった
提供:ワーナー・ブラザース映画

96%高評価の“前代未聞の心理戦”
【スパイによる究極のスパイ狩り】目を逸らせない超一級サスペンス
提供:パルコ

映画.com編集長が推したい一本
【ただの映画ではない…】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験!この伝説を人生に刻め!
提供:ポニーキャニオン

酸素残量はわずか10分、生存確率0%…
【“地球で最も危険な仕事”の驚がくの実話】SNSで話題、極限状況を描いた超高評価作
提供:キノフィルムズ

めちゃくちゃ笑って、すっげぇ楽しかった超刺激作
【これ良かった】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)
提供:ライツキューブ

なんだこのかっこいい映画は…!?
「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった――
提供:ディズニー

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント