市村正親、森光子さんの金言に「ミス・サイゴン」続投示唆「足腰鍛えて大丈夫なら」
2016年11月11日 07:00
同賞は、2012年に亡くなった森さんが、舞台「放浪記」で同一演目の単独主演日本記録(2017回)ことから、遺志を受け継ぐ「森光子芸能文化振興財団」がひとつの道を貫いている人物をジャンルを問わず称えるために昨年創設。市村はミュージカル「ミス・サイゴン」で1992年の初演からエンジニア役を務め続ける功績、北島は五輪での連続2冠を含む4大会連続出場の偉業が認められた。
森さんと60年来の親友だった黒柳徹子がプレゼンターを務め、表彰楯と賞金を受け取った市村は「森光子さんを初めて知ったのは『時間ですよ』。日本のお母さんという感じが大好きで、ずっと見ていました。役者をやるようになってからは『放浪記』を見て、自然な感じで立っている芝居がミュージカル畑の人間として勉強になった。大変光栄です」と感激の面持ち。森さんが生前、ミュージカルでの共演を望んでいたことを聞かされると「なんでもっと早く言ってくれなかったんだろうと思う。すぐできたのに」と偉大な先輩の死を惜しんだ。
現在も「ミス・サイゴン」の帝国劇場公演中で、今回でエンジニアからの卒業を表明していたが、楯には「森光子は90歳まで林芙美子を演じました。かなうならば、エンジニア役をいついつまでも演じられることを願うものであります」の一文があり苦笑い。「90歳まで舞台に立つという条件付きの賞なんですね。かみさんには、そろそろ足を上げなくてもと言われているが、足腰を鍛えて大丈夫なら目標は90歳ですね」と続投に意欲を見せた。
会場には妻で女優の篠原涼子の姿も。ステージ上からアイコンタクトを取って喜びを分かち合ったが、それを取材陣に指摘されると「見ていました?こっそりやったのになあ」と照れていた。
一方の北島は、黒柳から「お洋服を着ているのを見るのは初めてだからビックリした。いつも裸ばかり見ているから」と言われ苦笑。実家の精肉店のメンチカツサンドを森さんが好きだったそうで、09年4月に「放浪記」の稽古場を表敬訪問し「(現役を)続けるかどうかで迷っていた時期だったけれど、『続けて頑張ってね』と言っていただいた」と振り返った。
そして、「今年4月に引退しましたが、第二の人生を応援していただくという意味で、これからも水泳、スポーツ界に貢献できたら」と抱負。ただ、「水泳は生涯スポーツだけれど、90歳まではちょっと厳しいですね」とおどけていた。