深作健太監督、指針だった「里見八犬伝」に決意新た「こみ上げてくるものあった」
2016年11月1日 13:00

[映画.com ニュース] 第29回東京国際映画祭の「日本映画クラシックス」部門で、深作欣二監督の「里見八犬伝」(1983)の4Kデジタル修復版が10月31日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映。撮影監督の仙元誠三氏と深作監督の長男・健太監督がトークショーを行った。
撮影当時、11歳だった健太監督は阿蘇のロケ地などを訪れていたという。「物心ついていたので、親父が意見を聞いてくれたりした。子どもを楽しませるエンタテインメントを作ろうという意識があったんじゃないかと思う。『どうだ?面白いか?』と言っていたことを思い出し、指針にしていた作品でもあったのでエンドロールではこみ上げてくるものがあった」と感激の面持ちで語った。
鎌田敏夫氏が、自身の「新・里見八犬伝」を翻案し深作監督と共同で脚本を執筆したアクション活劇。健太監督も父と同じ道に進み、くしくも2012年に舞台で「里見八犬伝」を演出する機会に恵まれ、「すごく悩んだけれど、いつか越えたい壁で目指していたものでもあるので勝負した」と14年に再演、来年にも再々演が予定されるほど好評を得ている。
一方、仙元氏は初の時代劇で「すっかり忘れていた。作さん(深作監督)は1カット1カット細かいから、ゆっくり見ていられないけれど、まあ迫力はあったな」と自由闊達なコメント。デジタル修復の監修を務めたにもかかわらず、「きれいにはなったけれど、2Kのままで見て面白かったと言ってもらった方が満足」と言ってのけた。
撮影時も「必ず朝までだったし、作さんに抵抗して、こんなもんやっていられるかって言ったら、後ろにいたのに聞こえない振りをして、『仙元が、手持ち(カメラ)でそっちに行くからなあ』とか言っていた」と苦笑い。加えて、「美術の今村力さんはすごい。300人の美術スタッフをこき使えるから最高。こっちは数人の撮影部で作さんに抵抗したが勝てなかった。揚げ句の果てにできた作品をいいなと言ってもられれば満足です」と歯にきぬ着せぬ語りで、会場を盛り上げた。
映画からは3年以上離れているが、健太監督は「親父や仙元さんが、いろんな言葉をくださるのが何より。その思いを大切にしていきたい」と意欲も新た。だが、助監督時代に仕事を共にしたことがある仙元氏は、「健ちゃんみたいに優しい監督なら、もっと楽な気分で撮影できたな。でも、俺についてこいって根性がないと映画なんか撮れないよ。理屈や理論じゃなくて、情熱が高まらないと。全部終わって、いい監督だったって言われるのが一番だよ」とハッパをかけていた。
第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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