「湯を沸かすほどの熱い愛」オダギリジョー「こんなに練られた脚本は見たことがない」と出演即決
2016年10月19日 17:00
[映画.com ニュース] 宮沢りえ、オダギリジョー、杉咲花、松坂桃李ら人気俳優が顔をそろえた「湯を沸かすほどの熱い愛」の試写会イベントが10月18日、東京・109シネマズ二子玉川で開催され、上映後にはオダギリと本作で商業映画デビューを飾った中野量太監督によるトークセッションが行われた。
店主の一浩(オダギリ)が失踪したため、休業を余儀なくされた銭湯「幸の湯」の女将・双葉(宮沢)が、末期がんで余命2カ月と宣告されたことを機に一念発起。一浩を連れ戻し、学校でいじめを受けている一人娘の安澄(杉咲)を独り立ちさせるだけでなく、一浩の連れ子・鮎子(伊東蒼)を家庭に迎え入れ、あふれんばかりの愛情を注いでいく。
オダギリは、完成後しばらく本作を見ないようにしていたと明かし「絶対いい作品だったから、見たくなかったんです。自分の作品で泣くというのが恥ずかしくって」と“らしさ”あふれる言葉で作品の出来を称賛。「自分の出ているシーン以外見たことなかったから、新鮮だったでしょ?」という中野監督に対し、「でも脚本がしっかりしていたので、いい作品だということはわかっていましたよ」と答え「初めて脚本を読んだときから、こんなに練られた脚本は見たことがなくてすぐに『やりたい』と思いました。本当にいい作品にめぐり合えた年になりました」と脚本も手がけた中野監督の手腕をほめちぎった。
オダギリにオファーした理由を問われた中野監督は、「僕はオダギリさんの演じる3枚目が大好きなんです。だから、このお父ちゃんという役も絶対やれると思ってました。最近SNSで試写の感想を見ると『オダギリさんが演じるお父ちゃん、本当にやだ! でも憎めないんだよね』という書き込みがよくあって、思ったとおりでした」とニンマリ。それでも、撮影初日はシリアスなシーンからだったためにお互いに関係を模索したそうで、オダギリから「信用していなかったですよね?」と突っ込まれ「信用していましたよ! 撮影の2日目が、お父ちゃんの3枚目キャラが満載のシーンだったので、安心しました」と慌てて否定していた。
中野監督は、オダギリの印象的だったシーンとして、トイレにこもった安澄に一浩がドアの外から語りかけるシーンがアドリブだったと告白。オダギリは「脚本を見たらすごいセリフの量だったので、覚えられないなと(笑)。なので、(キーワードを監督と相談した上で)全部アドリブにしてもらいました」とぶっちゃけて笑いを誘った。
「湯を沸かすほどの熱い愛」は、10月29日から全国公開。