寺島しのぶ、声帯を失った佐野和宏と夫婦役「大人の映画に参加させて頂きたかった」
2016年9月17日 12:00
[映画.com ニュース] 詩人や映画評論家としても活躍する福間健二監督の最新作「秋の理由」の公開記念トークイベントが9月16日、都内であり、福間監督と伊藤洋三郎、佐野和宏、寺島しのぶが舞台挨拶に立った。
「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督らとともに“ピンク四天王”と称された、映画監督で俳優の佐野は、咽頭がんを患い声帯を失った。今作では代表作以降、小説を発表できず、精神的な不調から声が出なくなった作家の村岡を演じる。福間監督は「村岡役の職業を作家と決めた瞬間に佐野和宏でやりたいと思っていたので、僕の世界があるとしたら、それを佐野和宏に思い切り壊してほしいというつもりでした。断られても、絶対に出てもらうという気でいました」と語った。
村岡役に共感できたかと問われた佐野は「書けない作家、世捨て人というところが共感できた。実際は破滅的になれないけれど、映画の中ではそれを発散できた」といい、村岡の妻で、村岡の親友の編集者から思いを寄せられる役どころの寺島は、「監督のお人柄と、これにかかわらないといけないんじゃないかなという自分の勘があって、60代の友情の話という大人のストーリーが日本の映画界で少ないので、こういう大人の映画に参加させて頂きたかった」と出演オファーを受けた理由を話した。
村岡の才能を信じる編集者役の伊藤は、「自分の親友の奥さんを好きになるという感情は誰にでもあると思うので、それは人としてわかる。ただそれを言ってしまうというのは…60になると、たがが外れるので、『愛してる』とまでは言わなくても『好き』というのは言えちゃうというのはわかる」と自身の見解を述べた。
福間監督は最後に、「佐野和宏が演じた村岡を声が出ないとした。映画は、サイレント時代は声がなく、そこからの色々な表現があって、今の映画があるんだけれど、映画はこういう風にして声になるんだということを改めて確認できる映画になった。エッセンス的に“ここは映画だ”というのが掴めたので、まずはそこを楽しんでほしい。人って一人で生きてない。でも一人で生きている自分もいるということ、それぞれ生きていくことを見つめるきっかけにしてもらえたらいいかなと思います」と観客へメッセージを送った。
「秋の理由」は、10月29日から新宿K's cinemaほか全国順次公開。
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