柳楽優弥「ディストラクション」の暴力演技が「ゆとりですがなにか」に影響
2016年7月9日 12:00
[映画.com ニュース]柳楽優弥が主演した映画「ディストラクション・ベイビーズ」の大ヒット御礼舞台挨拶が7月8日、東京・テアトル新宿で行われ、柳楽と真利子哲也監督が出席した。
柳楽のほか菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎ら若手実力派が結集し、若者の暴力性全開の異色青春群像劇を描いた。5月21日に全国9スクリーンで封切られ、累計観客動員約4万人を記録。この日の劇場も、深夜の上映にもかかわらず満席となった。
狂気の主人公・芦原泰良を演じた柳楽は、公開後の反響を問われ、「ちょうどドラマ『ゆとりですがなにか』をやっている時に、その打ち上げで(同ドラマ脚本の)宮藤官九郎さんに『面白かった、すごい良かった』と言っていただきました」とニッコリ。一方で真利子監督が「『ゆとり』で柳楽くんがケンカしているシーンは、もう泰良にしか見えなかった」と明かすと、柳楽は「『ディストラクション』以降、ケンカするシーンは慣れたもんだと思いました」と苦笑を浮かべた。暴力シーンの数々はドラマにも影響を及ぼしたそうで、「『ゆとり』のテーブルにのぼるシーンでは、水を飲むみたいな自然な流れで(激しく)やってしまって、スタッフさんにゲラゲラ笑われた」と告白し客席を沸かせた。
さらにティーチインも実施され、観客から「それぞれの目に、泰良はどう映った?」との質問が寄せられた。柳楽は「あんまりしゃべらないと、台本の時点でわかっていました」と述べたうえで、「ここまでしゃべらなくても成立するというのが、映画を見て嬉しかった」と手応えを語る。真利子監督は「コミカルにかわいらしく見えました。一生懸命ケンカしている姿が、ずっと見ていたい気持ちになるキャラクターでした」と話し、柳楽から「この映画をグーグルで検索すると、紹介がコメディになってましたからね」と指摘されていた。
また、5度鑑賞したという観客から「続編の構想は?」と聞かれ、真利子監督は「『ディストラクション2』。気持ちはすごくあります。その後の泰良を想定して脚本を書いていましたから」と意欲満々。対して柳楽は、「大変そうだなあ」とうつむき加減につぶやいていたが、最後には「シリーズものにしちゃいましょうよ!」と高らかに声をあげ、客席の拍手を浴びていた。