「レヴェナント」音楽・坂本龍一、イニャリトゥ監督は「耳が滅茶苦茶いい」!次回担当作のヒントも
2016年4月8日 17:00
[映画.com ニュース] 第88回アカデミー賞で監督賞、主演男優賞、撮影賞の3冠に輝いた「レヴェナント 蘇えりし者」の特別試写会が4月7日、都内で行われ、本作の音楽を担当した坂本龍一が劇中曲を演奏したほか、作品の舞台裏について語った。
メガホンをとったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の大ファンという坂本は、「最初に見たラフなもの(制作途中の映像)でも圧倒された。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』もぶったまげたけど、次のレベルに行っていてどこに行っちゃうんだという驚きがありました」と絶賛する。
「イニャリトゥの右腕の女性から電話があって、まだやると決めてもいないのに『明日にでも来てくれ』と。イニャリトゥは監督になる前はラジオDJだったらしく、音楽に対する耳が滅茶苦茶いいし感性が鋭い。精度の高い耳でああだこうだ言うから困る(笑)」と振り返った坂本は、「今回はイニャリトゥと相談して、ピアノを使うのをやめようとなった。(その代わり)ピアノをぶったり、鍵盤を押さえたりして効果音的な使い方をしています」と実演をまじえてレクチャー。本作のメインテーマと「Discovering River」、さらに「イニャリトゥが『いいね』と言っておきながら本編では使わず、スタッフロールで使った。悔しいからやります」と「メインテーマ2」をピアノ演奏し、観客をうならせた。
完成した作品の感想は「音が大きかった。(作品によっては)思っていたよりも音量を下げられちゃうことだってあるけど、今回はでかい!」と話す。さらに「今1番注目されている俳優といっていい」と主人公のヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)の敵役、ジョン・フィッツジェラルドを演じたトム・ハーディに言及し「イニャリトゥがしきりに言っていたのは、『彼(フィッツジェラルド)は悪い人間じゃないんだ。過酷な自然の中でタフに生き抜いてやろうという人間に過ぎないのだ』ということ。単なる善玉と悪玉の戦いじゃないと、僕も思います。でも、トム・ハーディの演技がすごすぎて、見ていると憎くなってきちゃいますよね(笑)」と語った。
なお、坂本はイベントの最後に「2月、3月と日本映画の音楽をやりました。タイトルはまだ言えないけど、9月に公開します。6月くらいに情報解禁されそうです」と今後の予定を明かし、ファンを歓喜させた。
「レヴェナント 蘇えりし者」は、狩猟中に熊に襲われてひん死の重傷を負ったグラスが、フィッツジェラルドに殺害された息子の無念を晴らすべく、苛酷な自然環境の中で生き抜こうともがくさまをダイナミックな映像で描く。4月22日から全国公開。
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