中谷美紀が妻、愛人、愛人の娘の1人3役「魂を込めて演じたい」 舞台「猟銃」再演
2016年4月1日 18:15
[映画.com ニュース] 女優の中谷美紀が、2011年に初挑戦にして主演を務めた舞台「猟銃」の再演を前に4月1日、東京・パルコ劇場で演出のフランソワ・ジラール、俳優のロドリーグ・プロトーとともに会見した。ある男性の不倫の恋が、妻、愛人、愛人の娘という3人の手紙によって暴かれていく物語で、1人で3人の女性を演じる中谷は「魂を込めて3役を演じていきたい」と意気込んだ。
同舞台は、中谷が出演した映画「シルク(2007)」でメガホンをとったジラールの演出で、昭和の文豪・井上靖が1949年に発表した短編小説を舞台化。カナダ・モントリオールで行われた初演は現地メディアに絶賛され、日本公演も、第19回読売演劇大賞優秀女優賞、第46回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞するなど大成功を収めた。
中谷は5年ぶりの上演について、「5年も経つとたくさんの経験をして、人間的に少し成長をした今、3人の女性の人生をよりよく味わえるようになってきた」と自信をのぞかせる。劇中の「あなたは愛することを望みますか? 愛されることを望みますか?」というせりふが一番印象に残っているそうで、「永遠のテーマだと思う、いまだにその答えを探している最中です」と語った。
90分間独白形式の舞台のため、初演時はせりふを1カ月かけて覚えたそうだが、今回はわずか10日間という短期間の準備で臨んだ苦労を明かす。「やめようかな、延期しようかな、パルコ劇場は閉まるのだし……」という思いを持ったことを告白する場面もあったが、プロデューサーの説得により、再び舞台に上がることを決意したと説明した。
ジラールは、「限りなく深みのある作品。それを(中谷)美紀のアーティストとしての成長とともに掘り下げられることがうれしい」と再びのタッグを喜び、共演のプロトーは「日本語はわからないけれど、彼女から良い感情をもらって私も良い演技ができている」と舞台女優としての中谷の存在感を褒め称えた。
舞台「猟銃」は、東京・パルコ劇場で4月2日から。新潟、京都、愛知、兵庫、北九州に巡回する。