佐々木希を圧倒した中村倫也の実力とは?
2016年3月4日 17:00

[映画.com ニュース] 2014年に舞台「ヒストリーボーイズ」で読売演劇大賞優秀男優賞を受賞するなど舞台で存在感を放ち、近年では映像作品でも注目を浴びている中村倫也主演の映画「星ガ丘ワンダーランド」が間もなく公開。駅の落とし物係を演じた中村とその義理の妹を演じた佐々木希に話を聞いた。
寂れた遊園地「星ガ丘ワンダーランド」のお膝元の駅で落とし物係として働く温人(はると)。ある日、彼の元に家族を捨てた母の死の知らせが届き、近くに、母の再婚相手の子どもである、義理の妹と弟が暮らしていることを知るが…。本作の脚本を読み、中村は「登場人物がみな葛藤やコンプレックスを抱えていて、笑うことも泣くことも悔しいことも全てない混ぜになった“生身感”があった。人を美化せずに描いているところに共感した」と語る。
佐々木が演じた七海は、温人から母を奪ってしまったという、自分ではどうにもならない事実に葛藤し、一方で血のつながった弟(菅田将暉)ら家族のために必死で生活を支えようとする女性。「血が繋がっているか繋がってないか――それだけでいろいろな葛藤を抱え、けなげに頑張っている女性であり、すごく難しいけど、脚本を読んで早く演じたいって思いました」と明かす。

「初めから何かをあきらめて、秘めたものを秘めたまま見ないようにして生きている」(中村)という温人が「我慢して心で泣いていて、笑うほどに無理をしている」(佐々木)という七海と出会い、少しずつ心を解きほぐされていくが、この2人の微妙な距離感が物語に静かに、しかし大きな変化をもたらしていく。「演じながら何ともピリッとした空気を感じました。ここから入っちゃいけないんだ…という微妙な距離が…(苦笑)」と佐々木。中村も「“人間”って人の間と書くんだなぁ…と改めて思います」としみじみと語る。
最初のターニングポイントは、七海が作った“母の味”のりんごスープ。中村は「憎しみに似た勝手な嫉妬を抱いていた温人が、スープを飲んだ刹那に変わる――その機微を大事に演じたかったしデリケートに(感情を)運ぶ作業は楽しかったです。繊細で濃縮された、美しくないもので切り取っている――その変化こそがドラマですが、この映画はそのドラマ性をドラマとしてハッキリ提示しないんです」とその繊細さにこそ価値を見出す。

中村と対峙しその実力に圧倒されたという佐々木は「私は技術がないから感じるままにそこにいただけ」と語るが、そんな佐々木に中村は「ブルース・リーみたいでカッコいいな」と笑う。佐々木同様に、中村の芝居に強く心動かされた多くのクリエイターたちから中村へのオファーは絶えない。そんな現状を「ありがたい」と言いつつ、中村は足元を冷静に見つめる。「自分に才能があるなんて思ってたのはデビュー当時だけ。すぐに鼻を折られましたから(笑)。それでも自分に誇れるものがあるとしたら、出会い運。デビューして十数年、地道に一歩ずつやりながら素敵な人たちと出会えました。これからもひとつずつ、楽しみながら――笑って死ねたらいいなと思ってます(笑)」。
「星ガ丘ワンダーランド」は3月5日より公開。
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