キャリア38年・世良公則、初のトークイベントで「24時間すべてが幸せ」
2016年3月4日 12:00
[映画.com ニュース] ロックミュージシャンで俳優の世良公則が3月3日、東京・渋谷のBunkamuraで開催されたメリル・ストリープ主演作「幸せをつかむ歌」の特別試写会に出席し、トークショーを行った。
オスカーに3度輝いたストリープは、家族を捨てロックミュージシャンとして生きてきたリッキーを演じるため、ニール・ヤングからギターレッスンを受け、劇中ではプロ並みの腕前を披露している。38年にわたるキャリアで初のトークイベントに挑んだ世良は、ストリープの「息を吸って吐くような」自然体の演奏を絶賛し「ミュージシャン、リッキーとしてふるまっている。だから、どの瞬間をとらえてもロッカーなんです」と熱弁。ライブ中の感情の機微が演奏や声、表情に表れていると、ミュージシャンならではの目線で見どころを語った。
リッキーのバンド仲間グレッグに、ミュージシャンのリック・スプリングフィールドが扮しているが、大ヒットドラマ「下町ロケット」で存在感を放った世良は「包容力や優しさがギタープレイやコーラスをしている時の横顔や視線に表れていて、こんなにお芝居うまいんだと思いました」と感化された様子。「人を支える源の感情って何だろうって考えた時に、グレッグって『はあ、かっこいいな』と勉強になりました」と語り、自身が目指す“かっこいい男”になるのは「これからでしょうね。あと10年、20年歩けば、道って呼べるようなものが自分の中で芽生えるんじゃないかな」とさらなる追及を示唆した。
さらに鑑賞ポイントのひとつとして、ロックミュージックを象徴する革のジャケットを挙げたが、自らが使用するロックなアクセサリは「最近小さくなってきた」という。「アイテムや肩書きに頼らないことを目指し始めてから、24時間すべてが幸せなんです。すべてのことが明日の自分を作る要素になると思うと、あらゆる巡り合わせに感謝できるようになってきた。人生で今が一番幸せかもしれないです」と貫禄たっぷりに話した。
ストリープが実娘メイミー・ガマーと共演する本作は家族の再生の物語。「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ監督と、「JUNO ジュノ」でアカデミー脚本賞を受賞したディアブロ・コーディがタッグを組んだ。3月5日から、東京・Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開。