行定勲監督「香川は懐が深い」栗林公園に滝を作った思い出語る
2016年2月14日 07:00
[映画.com ニュース]香川県にゆかりの深い行定勲監督の2005年公開作「春の雪」が2月13日、さぬき映画祭2016に凱旋。当時の35ミリフィルムを使ってイオンシネマ綾川で上映され、香川の魅力を存分に発揮した映像美でファンを酔わせた。舞台挨拶に立った行定監督は、香川を「撮影の場の宝庫!」と絶賛した。
栗林公園や玉藻公園で撮影された同作は、三島由紀夫の“豊饒の海”シリーズ第1作を、妻夫木聡と竹内結子の共演で映画化。撮影監督に台湾の名手リー・ピンビンを招き、耽美的で大正ロマンあふれる世界観は、公開から10年を経た今なお魅力的。観客から感嘆の声が漏れ、上映後のティーチインも熱気に包まれた。
劇中には美しい滝が登場するが、ロケ地となった栗林公園には実在せず。行定監督は「実は公園内に作っちゃったんです」と種明かし。さらに「栗林公園は日本中の名園の中で最もこの映画にふさわしかった。それに滝まで作らせてくれて、香川は本当に懐が広い」と懐かしげに振り返った。
大ヒット作「世界の中心で、愛をさけぶ」にはじまり、香川をこよなく愛する行定監督。この日はイベント前に直島を訪れ「最高でした」と大満足。2月14日には、行定監督が自らツアーコンダクターを務め「世界の中心で、愛をさけぶ」「春の雪」のロケ地をめぐるイベントが実施される。
さぬき映画祭2016は2月21日まで開催。