春の雪
劇場公開日 2005年10月29日
解説
「GO」「世界の中心で、愛をさけぶ」「北の零年」の行定勲監督が、三島由紀夫の遺作となった「豊饒の海」4部作の第1章「春の海」を原作に描く純愛ロマン。舞台は大正時代。幼なじみの侯爵家の子息・清顕と伯爵家の令嬢・聡子。成長した2人はいつしか互いに惹かれ会うようになるが、聡子に宮家の王子との縁談が持ち上がる。人気俳優2人「69 sixty nine」「ローレライ」の妻夫木聡と「いま、会いにゆきます」の竹内結子が共演。
2005年製作/151分/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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2018年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
今回はできちゃった結婚というおめでたいニュースが飛び交っての公開となった映画。死んでしまったらさすがに縁起が悪いけど、堕胎というシビアな内容のためか、顔色も良くないように思われる竹内結子。四季の変化とともに顔色も変化していったように感じたのですが、気のせいでしょうか。撮影がアジア映画で大活躍するリー・ピンピン。自然美を撮らせれば超一流なのですが、人物になると弱いような気もします。彼の作品ではベトナム映画の『夏至』が好きです。
原作は三島由紀夫。国粋主義者で割腹自害した彼は、人間的には好きになれないが、小説は美しく素晴らしい・・・いつも途中で挫折してますが。そんな彼の遺作となった“豊饒の海シリーズ”四部作の第一巻「春の雪」。華族社会を舞台に家を重んじる両家の確執の間で、運命に翻弄される二人。しかし、清顕の自業自得のような気もするし、蓼科の計らいで上手く逢瀬を続けられたのです。問題があったとすれば、キンゼイレポートが発表される以前の話だということと、避妊の知識もなかったことなのだろう。
夢日記、蝶、百人一首、と伏線も充実していて映画としても面白いのですが、清顕の心情変化が上手く表現できていなかったりして、竹内結子の演技が際立っていたような気がします。清顕の親友本多(高岡蒼佑)も終盤ではいい演技を見せてくれたのですが、田口トモロヲに美味しいところを持っていかれたしまったのが残念でした・・・
観た直後、日本アカデミー賞では衣装デザイン賞が確実なんじゃないか?!と思ったのですが、そんな賞の部門はないようです。多分、撮影賞、音楽賞をもらうんじゃないでしょうか。
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