小出恵介&木村文乃、映画「十字架」の中学生役に悪戦苦闘
2016年2月6日 15:45

[映画.com ニュース]作家・重松清氏の吉川英治文学賞受賞作を映画化した「十字架」が2月6日、全国11スクリーンで封切られ、主演の小出恵介をはじめ共演の木村文乃、富田靖子、永瀬正敏、小柴亮太、メガホンをとった五十嵐匠監督が東京・有楽町スバル座での舞台挨拶に立った。
いじめを苦に自殺した少年・フジシュンを“見殺しにした”と後悔する主人公・ユウ、自殺した日が自身の誕生日だったサユ、そして同級生や遺族たちが、重い十字架を背負いながら20年間にわたり苦悩する姿を描く。
ユウ役の小出とサユ役の木村は、中学生時代の同役にも挑んでおり、31歳の小出は「中学生の役というのは、もはやハードルを超えて、どういうことかわからなかった」と悪戦苦闘した様子。そして「木村さんも中学生役をやると聞いた時は、共演して同い年くらいの役をやることが多かったので『死ぬなら一緒だ、大丈夫だ』と思った」と明かしたものの、木村から「でも私、小出さんより4歳年下ですからね!」と釘を刺されていた。
一方で五十嵐監督作の「アダン」(2006)で映画デビューを果たした木村は、「監督とお会いするのが、今作が10年ぶりのこと」としみじみ。芸能界引退を考えるほど苦労した時期もあっただけに「五十嵐監督と肩を並べることも、もうないだろうと思っていました」と吐露したが、それでも「10年経ってこうしてまた一緒に舞台挨拶ができること、すごく嬉しく思っています」と笑顔をはじけさせた。
また、フジシュン役を演じきった小柴は、「とてもつらい撮影期間でした。でもいじめのシーンが終わったあとに、いじめてきた子が何も言わずに抱きしめてくれたりした」と振り返り、「苦しい中でも、つらいだけじゃないいろんな体験をさせてもらいました。この映画を、思い出にしていきたいです」と述懐。さらにフジシュンの母役の富田は、「こうして皆と笑って舞台挨拶ができるのなら、たくさん泣いたことも、今となってはいい思い出です」と感無量の面持ちで語っていた。
父役の永瀬は、この日台湾南部で発生した地震に触れ、「僕の大好きな台湾で、地震が起きてしまいました。台湾の映画に2本出させていただいていて、すごくお世話になっています。皆さんにも、この映画の思いが届けばいいと思います。ジャーヨウ(中国語で『頑張れ』の意)、台湾!」と思いの丈を語っていた。
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