河崎実監督、最新作は「ヒーローものへのアンチテーゼ」
2015年12月6日 09:00
[映画.com ニュース] 「いかレスラー」「日本以外全部沈没」などの異色作を手がけた河崎実監督による特撮映画「アウターマン」が12月5日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で公開され、河崎監督をはじめ主演の塩谷瞬、共演の古原靖久、戸塚純貴、Gero、子役の福田徠冴(らざ)くんが舞台挨拶に出席した。
50年間続いている国民的特撮ヒーロー「アウターマン」が街に出現。人々は喜びに沸くが、アウターマンは実は侵略宇宙人で、長い年月をかけて日本国民を洗脳していたという事実が明らかになる。宇宙人から日本を守るため、かつてアウターマンを演じた俳優たちが立ち上がる。
河崎監督は、「特撮ヒーローもののタブーの部分を描きました」と説明し、「今日ご覧になって、『河崎、大丈夫か!?』と思ったかもしれません。『ヒーローものばかり見ていると、どうなんだ』というアンチテーゼのつもりでやりました」と作品への思いを語る。そして、「来年も、どうかしているという企画もありますからね」と含みを持たせ、ファンの期待をあおっていた。
さらに、今作の製作経緯を「『ギャラクシー・クエスト』という傑作映画があって、それを日本のウルトラマンや仮面ライダーで出来ないかと。最初は、昭和ウルトラマンと平成ウルトラマンを全部出して、殺し合わせようかと思っていた」と明かす。過激な内容に客席もざわめいたが、塩谷は「お客さんたちの目が光りましたね。それも見たいっていう風に」とほほ笑んでいた。
「忍風戦隊ハリケンジャー」の塩谷、「炎神戦隊ゴーオンジャー」の古原ら、特撮ヒーローを演じた俳優陣の共演も見どころ。かつて、塩谷はデビュー前の古原と対面していたそうで、「古原君は熱い感じで、『ハリケンジャー見ていました。僕も特撮ヒーローやりたいんです!』と。それで、『本気か? あきらめなくて人の100倍努力したら、絶対かなうから』と言ったら、その3年後に古原君がゴーオンレッドになっていた」と告白。これに古原は、「2回オーディションに落ちたんですけど、3回目にしてようやく(合格した)」といい、「あきらめなければ夢がかなう、あの言葉は本当だったと思った」と感謝の念をにじませた。
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