ピーター・チャン監督、「最愛の子」を通じ児童誘拐事件の現状を訴える
2015年11月24日 12:00

[映画.com ニュース] 中国で頻発する児童誘拐事件を題材にした映画「最愛の子」が11月23日、東京・有楽町朝日ホールで開催中の第16回東京フィルメックスで上映され、メガホンをとったピーター・チャン監督がティーチインに出席。児童誘拐の実情と、中国社会が内包する問題について語った。
「ラヴソング」「ウォーロード 男たちの誓い」など、多様なジャンルを手がけてきたチャン監督。今作では2011年に中国で実際に起きた「誘拐された息子が3年ぶりに両親のもとに戻った」という事件を基に、親の愛情の在処を描いており、「ニュースを見た時に、非常に力を感じました」と振り返る。その理由を「この事件は多くの問題を提起しています」といい、「現代中国における貧富の格差、経済成長によってもたらされたいろいろな問題。一部の経済発展が遅れている地域の人々の健康の問題や、教育が遅れていることで、いまだに子どもの売買が行われています」と現状を説明した。
中国では現在も児童誘拐が社会問題となっており、その根源には一人っ子政策の功罪があるという。「毎年約20万人の子どもが誘拐されていると聞いています。一人っ子政策のもとでは、どうしても労働力でいうと男の子のほうがいいわけで、中国の人は現実的ですから、平気で1万人民元を出して子どもを買ってしまうんです」と神妙な面持ちで話し、「買う人がいれば、誘拐する人も現れる。中国では大問題になっています。そこで、社会問題として取り上げるよりも、物語として映画化しようと思ったわけです」と製作経緯を語った。
誘拐犯の妻を演じたビッキー・チャオは、今作での演技が評価され第34回香港電影金像奨での最優秀主演女優賞をはじめ、賞レースを席巻。チャン監督は「今回良かったのは、彼女がすっぴんで出演したこと」と笑顔を見せ、「世の中の化粧品メーカーは、こんなにきれいな女優がいることを恐れたと思います。本当の美人であれば、何もつけなくてもいい」とチャオの美ぼうを絶賛した。
また次作の題材を聞かれると、中国のテニス選手リー・ナと、戸籍を持たない子どもである黒孩子(ヘイハイズ)を挙げた。「中国には、約8000万人の戸籍のない子どもがいます。こういった題材を、物語あるいはドキュメンタリーで映画化したい」と胸中を明かしたが、客席の期待が高まるなか「リー・ナのプロジェクトを先にやらなければなりません。来年あたりから始まると思いますが、実際の完成は2017年かな。また日本にはしばらく来られないですね」と苦笑いを浮かべていた。
「最愛の子」は、2016年1月16日にシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開。第16回東京フィルメックスは、11月29日まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。
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