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渋川清彦、きわどい質問に仰天 「下衆の愛」は「ファンタジー映画だと思います」

2015年10月24日 17:15

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内田英治監督(右端)は「自伝じゃない」と念押し
内田英治監督(右端)は「自伝じゃない」と念押し

[映画.com ニュース] 俳優の渋川清彦が主演した映画「下衆の愛」が10月24日、第28回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で公式上映された。ワールドプレミアの会場となった東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶には、渋川をはじめ競演の岡野真也忍成修吾細田善彦古舘寛治、メガホンをとった内田英治監督、プロデューサーのアダム・トレルが登壇した。

グレイトフルデッド」で国内外の注目を集めた内田監督が、インディーズフィルムシーンの底辺に巣食う下衆な人々の葛藤(かっとう)や映画愛を描いたドラマ。40歳を目前にしながらも夢をあきらめきれない自主映画監督のテツオを演じた渋川に対し、MCを務めた同映画祭プログラミングディレクターの矢田部吉彦氏は、「役づくりの時に思い浮かべた“下衆”だった監督はいるか?」ときわどい質問をぶつけた。渋川は「それ(名前を)言うの?」と仰天。「そういう人はいなかったですね……」と答え、「だから、(本作は)ファンタジー映画だと思います」と持論を展開した。

入場前から大盛り上がりだったキャストたちは、終始和気あいあいとしたムード。会場が4DXシアターだったことから、細田は「4DXで公開されるのは今日限定なので、そこを楽しんでもらえれば」と冗談を飛ばし、古舘は「下衆しか出てこないひどい映画なんですけど、自分たちを見るように笑って見ていただければと思います」とアピールした。さらに、英国で日本映画の配給を手がけているというトレル氏は、日本語で「これ本当に面白い映画。もう50回見たけど飽きない」と熱弁し、場を一層和ませた。

「日本らしい四畳半映画を撮りたい」と考えていたという内田監督は、周囲のスタッフや役者たちから数多くの面白いエピソードを聞いていたことから、インディーズ映画界を舞台にすることにしたと明かすが、「これだけは言っておきたいのですが、自伝じゃないので」と強調。「いろんな下衆野郎が出てきますが、共通しているのは映画が好きというところ。役者たちの演技も素晴らしい」と見どころを語った。

金なし、甲斐性なしの自主映画監督のテツオは、映画祭での受賞経験を唯一の心の支えにしながら、女優を自宅に連れ込む自堕落な生活を送っていた。そんな中、才能あふれる新人女優ミナミと出会ったことで希望を見出し、新作映画の実現に向け奔走。団塊世代のプロデューサー・貴田、枕営業にかける売れない女優・響子、自作のポルノ動画で生計を立てる助監督ら仲間たちと最後のチャンスに挑むが、やがて現実の壁にぶちあたってしまう。

第28回東京国際映画祭は10月31日まで開催。映画」「下衆の愛」は、16年4月2日から東京・テアトル新宿でレイトショー上映。

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