ドローンの専門家たちは「ドローン・オブ・ウォー」をどう見た?
2015年10月2日 22:00

[映画.com ニュース] 名作「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督とイーサン・ホークが再タッグを組んだ「ドローン・オブ・ウォー」の公開前日となる9月30日、「ニコニコ生放送」で特別番組「ドローン映像・オブ・ウォー」が配信され、ドローンにゆかりのある著名人が集まった。
映画は、アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐(ホーク)が、ラスベガスの基地から戦闘用の無人航空機(ドローン)を操縦して敵国を空爆する任務をこなすうちに“戦場”と“家庭”の往復で精神を病む姿を描き、“対テロ戦争”の現在をあぶり出す。
今回結集したメンバーは、世界の奇妙なものを収めた写真集「奇界遺産」の作者で、撮影にドローンも活用する佐藤健寿氏、ドローンを使った芸風の谷+1。、日本ドローンレース協会の理事を務める黒田潤一氏、「ドローン空撮入門」の作者・中筋義人氏、発明家・実業家のドクター中松氏の5人。中松氏は開口一番「ドローンというのは私が1940年に発明した」と爆弾発言をし、会場はおろか視聴者からも驚きのコメントが書き込まれた。映画の内容に話が及ぶと、黒田氏は「無人爆撃機から爆弾が投下してターゲットに当たるまでの8~12秒の間で起こるドラマがハラハラドキドキで面白かった」と回答。「ガタカ」のファンという中筋氏は「シリアスでありながら『ガタカ』的な光が見える」と作品の印象を語った。
本作の大きなテーマである、ドローンが軍事利用されている点については、黒田氏は「戦争がゲーム化して手軽になっているのは怖い」としながらも、「軍事利用の研究から技術が発展していくことはよいこと」と賛成派・反対派両方の見地に立った意見を述べた。「ドローンは元来、“標的機”だった」と語った中松氏は、現在のように攻撃利用ではなく、あくまでも海軍が訓練する際の標的として使用していたという貴重なエピソードを披露。3年前にイエメンを訪れたという佐藤氏は、当時すでに“無人爆撃機”が無関係の一般市民を誤爆する事件が頻発していたと語り、改めて“軍事ドローン”の恐怖を伝えた。番組の中ではそのほか、ゲストがそれぞれ撮影した貴重なドローン映像を鑑賞するコーナーも設けられ、盛り上がりを見せていた。
「ドローン・オブ・ウォー」は、ホークのほか、ブルース・グリーンウッド、ゾーイ・クラビッツ、ジェイク・アベル、ジャニュアリー・ジョーンズらが出演。公開中。
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