戸次重幸、北海道舞台の主演作「ホコリと幻想」で感じた“頑張りの原動力”とは
2015年9月24日 17:11

[映画.com ニュース] 俳優の戸次重幸が、映画「ホコリと幻想」で主演を果たした。北海学園大学出身の森崎博之、安田顕、大泉洋、音尾琢真とともに結成した演劇ユニット「TEAM NACS」で活躍を続けるなか、近年は「劇場版エンドレスアフェア 終わりなき情事」「エイプリルフールズ」など映画にも出演。そんな今、戸次が地元・北海道が舞台の今作から感じた、“役者としての心構え”を語った。
高校卒業以来となる帰郷で北海道・旭川の地を踏んだ松野(戸次)は、「東京でデザイナーとして活躍した」とうそぶき、市が募集する木工モニュメントの製作準備を始める。物語序盤、自信あふれる口ぶりで高校時代の友人たちを巻き込み、モニュメント作りに向かう姿は、さながらヒーローのように描かれる。しかし、遅々として進まない製作に業を煮やした人々の不満が噴出し、やがて画面を「松野は詐欺師なのでは」という雰囲気が支配するようになる。
結果を出さず、周囲を焦らせる松野という人間は、戸次の目にどう映ったのか。「自分とはかけ離れた人間です。僕も周りに迷惑はかけ続けてきましたが、ここまでの迷惑はかけていないぞというくらい、松野は社会性のない人間ですよね(笑)」とバッサリ。その一方で、「自分をひと回りもふた回りも大きく見せて社会生活をしていくということは、誰しもが持っている要素ですよね。みんな、見栄や虚勢を張るものだと思っています。松野はそれがかなり強い人というだけで、社会性はないんですが、完全に自分と縁遠いとは思わないですね」とも明かす。
見栄や虚勢は誰もが持つ要素で、それゆえに松野への親近感やリアルさを感じる。戸次は、虚勢こそが“人としての成長”につながると考えている。「ちょっとした見栄や虚勢を張るということは、大事な要素だと思います。その人の限界が上がっていって、人間的に大きくなっていくんじゃないかと思う」と語り、それを強く持つ松野を「そこがすごく愛すべきキャラですよね」と評した。
そんな松野を演じるにあたり、周囲の人々が参考になった。「僕の周りに、しょうがないんだけど人間的に憎めないから協力してやりたくなるとか、嫌いになりきれない人間がいっぱいいるんですよ。自分で今回演じたけど、『あいつみたいだな』というシーンが何回もありましたね。誰とは絶対言えませんけどね(笑)」

物語が進むなかで、やがて松野の虚勢の根源には、挫折やコンプレックスがあることが見え隠れする。戸次自身は、コンプレックスを肯定的にとらえている。というのも、「コンプレックスを抱えていない役者なんていない」という信念があるからだ。「コンプレックスというのは、『自分に足りないもの』を自覚しているかどうかじゃないですか。『自分にできないこと』があるということに対して抱く感情。僕たちの仕事は、『これをできる?』という風に言われたら、『できます』と言わなきゃいけない」
自らの実力から、少し背伸びした事柄に挑戦することは重要だと説く。「できないことを『できる』と言って、そこで表現する。そういうことをしていくうちに、10年前にできなかったことが今はできているという、それの連続なんです。現在進行形で『できないぞ』と思っている自分、『この人には勝てない』というコンプレックスを感じることは、未来のためにすごく大事。遠い未来にするか、近い未来にするかはその人次第なんだけど、頑張りの原動力になるのはコンプレックスだと思っています」。役者としての、ひいては人間としての心構えだ。
今後の俳優人生の展望を聞くと、戸次は「現状維持が一番難しい商売ですから。去年と同じことをやっていたら、今年の仕事がジリ貧になって、来年の仕事がなくなるという仕事だと思っています」と謙虚な姿勢を貫く。そして、「とにかく現状維持、役者であり続けるということ。その結果、今より高い役者の位置に行けたら最高ですけど、そうじゃなくても、死ぬまで役者でいられたなら、後悔はしないと思います」と真摯な眼差(まなざ)しを投げかけたが、「今、すごく良いこと言ったんじゃない、俺(笑)」と茶目っ気を発揮することも忘れなかった。
「ホコリと幻想」は、9月26日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。
(C)2014 Real Scale Project/DESAFIADORES
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