「全力スマッシュ」ヘンリー・ウォン監督、香港での大ヒットの要因明かす
2015年9月20日 05:00
[映画.com ニュース] バドミントンを題材にした香港発のスポーツコメディ映画「全力スマッシュ」が9月19日、東京・台東区で開催中の「第8回したまちコメディ映画祭in台東」の特別招待作品として上映され、主演のジョシー・ホーをはじめ、共演のスーザン・ショウ、ウィルフレッド・ラウ、アンドリュー・ラム、ヘンリー・ウォン監督、音楽を手がけた波多野裕介が浅草公会堂での舞台挨拶に登壇した。
「少林サッカー」の香港映画界が生み出したスポーツエンタテインメント作。暴力事件でバドミントン界から永久追放されたン・カウサウが、刑務所を出所したばかりの中年男たちとバドミントンに打ち込み、忘れかけていた情熱を取り戻していくさまを描く。
本作は、香港での封切り時に興行収入約435万香港ドル(約7000万円)を稼ぎ、初週ランキングでは「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」に次ぐ2位を記録。その大ヒットの理由について、ウォン監督は「まずは役者。このキャスティングは今まで見たことないでしょう。なかでも、アンドリュー・ラムさん。僕が小さい時にずっと見てきましたが、(近年は)長年映画に出演していません」と胸を張る。そして、「美しき負け犬たちに捧ぐ」という本作のメッセージを引き合いに、「香港だけでなく世の中は発展して、これからどうなるのか、皆さん不安だと思います。こういった映画をご覧になって、そうした皆さんは鼓舞されているんだと思います」と語っていた。
また、自身もバドミントンの競技経験があるホー。観客から「バドミントンのシーンへの手応えは?」と問われると、「点数をつけるとすれば、10点満点中8点でしょうか。でも、CGの力もプラス2点で、満点です!」とニッコリ。「私が小さい時に、学校のチームでバドミントンをやっていました。よく負けていましたけどね」と明かしながらも、「バドミントンを題材にした映画というのは、私の小さいころからの願望だったんです」と喜びを噛みしめた。
さらに香港での音楽活動を通じ、音楽を担当することになった波多野は「(もう1人の監督である)デレク・クォックという人は、今回日本に来られませんでしたが、(ウォン監督と)2人合わせて何100年前から来たような、現世にいないような熱い情熱を持っている男です」と最敬礼。オファーを受けた当時を「お話をうかがった時にデレクがウクレレを持ち出して、いきなり2、30分弾きだしちゃったりしていて、俺もそういう熱い魂みたいなものを出して、音楽にいれようとしました」と振り返っていた。
「全力スマッシュ」は、10月10日から東京・新宿のシネマカリテほかで公開。なお、「第8回したまちコメディ映画祭in台東」は22日まで。