杉野希妃、監督デビューの三澤拓哉を祝福「末恐ろしい男」
2015年9月19日 23:10
[映画.com ニュース] 女優、プロデューサー、監督として国内外で活躍する杉野希妃が、初めてエグゼクティブプロデューサーと主演を兼ねた三澤拓哉監督のデビュー作「3泊4日、5時の鐘」が9月19日、東京・新宿K’s cinemaで公開初日を迎え、杉野とともにダブル主演を務めた小篠恵奈、堀夏子、中崎敏、福島珠理、三澤監督が舞台挨拶に出席した。
杉野は、「ほとりの朔子」(2013)の製作から自らのアシスタントだった三澤監督のデビューを「3年間一緒に働いてきて、アシスタントというよりも同志、戦友という感じで、相談相手として一緒に仕事をしてきた。“三澤監督”としてここに立てているのが嬉しいですね」と祝福。「彼は観察力が鋭くて、驚かされることも多かった。末恐ろしい男だなと思うこともかなりあったので、そういう部分が映画に表れているんじゃないかなと思います」と三澤の才能をアピールした。
一方の三澤監督は、「去年の夏に自分が育った茅ケ崎で撮影しました。たくさんの方に支えられて作った映画。細かな描写をちりばめたので見て欲しいです」とはにかみながら言葉少なに挨拶し、会場から温かい拍手を浴びていた。
今作は、名匠・小津安二郎監督が脚本執筆に利用した神奈川の旅館・茅ヶ崎館を舞台にしており、杉野は「茅ヶ崎館は映画人にとっては憧れの地で聖域。とても緊張するのかなと思っていたのですが、すごく落ち着くんです。いたるところに小津さんの写真とか、小津さんについて書かれた本が置かれていた」と述懐。「プレッシャーや緊張というよりは、癒されながら演じていたので、いろんな重荷がそこで取れていったという感じがします」と特別な思い入れを語った。
また、今作が初主演作となった小篠は「出演者の方もスタッフをしているような現場だったので、すごくアットホームで、初主演というプレッシャーがあまりなく、のびのびと撮影させてもらいました」とニッコリ。杉野や堀と終始笑みを交わし、撮影現場の雰囲気の良さをうかがわせていた。
映画は、神奈川に実在する旅館・茅ヶ崎館を舞台に、正反対の性格を持つふたりの女性を中心に絡み合う恋愛模様を描く。第5回北京国際映画祭注目未来部門(新人コンペティション部門)で脚本賞を受賞している。