幼い兄弟が母を探す「ぼくらの家路」、切ない本編映像公開!
2015年9月18日 09:00
[映画.com ニュース] 第64回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されたドイツ映画「ぼくらの家路」の本編映像が、このほど公開された。
映画は、母を探す3日間の旅を通して少年が成長していく姿をつづる。10歳の少年ジャックは、6歳の弟とシングルマザーの母と3人で暮らしていたが、ある事件を機に施設に預けられる。施設からの外出を目前に控えたある日、母から迎えが3日後になるという連絡を受け落胆したジャックは、施設を飛び出し、弟とともに母を探しベルリン中を駆け回る。
公開された本編映像は、奔放な母親が家に連れ込んだ恋人に対し、ジャックが敵意をあらわにするシーン。母と弟と犬のマネをしてじゃれ合っていたジャックが、突然不機嫌になり立ち上がる。厳しい表情を浮かべるジャックの視線の先には、じゃれ合いに加わってきた母の恋人の姿が。ジャックが彼の服と靴を外に投げ捨てると、恋人は激怒し家を出て行き、母もその後を追う。残されたジャックは、寂しげな表情を浮かべながら再び弟と遊び始める。
メガホンをとったエドワード・ベルガー監督は、本シーンはお気に入りのシーンのひとつだといい、「母親の性格と、彼女の子どもたちとの関係性がよく表されています」と解説。母親について、「子どもたちの側にいる時は素晴らしい母親なんです。問題が彼女に信ぴょう性がないということ。彼女自身が子どもで、子育ての責任を負うには幼すぎるんです」と説明している。また、ドイツ中で行われた数百人のオーディションのなかから選ばれ、本作で俳優デビューを果たした主演のイボ・ピッツカーは、「純粋さをもって自分の仕事に向かっていける少年が必要でした」と起用理由を明かした。
「ぼくらの家路」は9月19日、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。