世界の食糧危機救った日本人描いた「NORIN TEN」予告編&ポスター公開
2015年9月17日 14:50
[映画.com ニュース] 第2次世界大戦後の世界的な食糧危機を救うきっかけとなった小麦「農林10号(ノーリン・テン)」の育成者・故稲塚権次郎氏の半生を描いた映画「NORIN TEN 稲塚権次郎物語」の予告編と、稲塚氏を演じる仲代達矢が小麦畑でほほ笑む姿が印象的なポスター画像が公開された。
日本の農業の基礎を築き、「農」の神様とよばれた稲塚氏(1897~1988)は、小麦農林10号をはじめ、コシヒカリやササニシキ、あきたこまちの先祖にあたる品種を生み出した育種家。35年に開発された農林10号は日本では普及しなかったが、戦後に米国やメキシコに渡り品種改良が進められ、世界の食糧危機を救う「緑の革命」へとつながる。新品種の開発に貢献したメキシコのノーマン・ボーローグ博士は70年にノーベル平和賞を受賞、翌71年に稲塚氏は勲三等瑞宝章を受章している。
予告編では、富山の原風景とともに、米と小麦の育種に人生を捧げた稲塚氏の人生が映し出される。仕事に情熱を注ぎ、妻をこよなく愛した稲塚氏を情感たっぷりに演じる仲代の姿が確認できる。
「NORIN TEN 稲塚権次郎物語」は、世界の小麦の70%以上の基となった農林10号の育種者・故稲塚権次郎氏の半生を描くヒューマンドラマ。農学校卒業後、農家の跡取りとして農作業に勤しむ稲塚氏は、親戚の応援を受け、東京で育種家の道を歩む。その生真面目な性格から、周囲から変人扱いされながらも研究に没頭した。のちに妻となるイトとの出会いや、世界を救うこととなる農林10号の育種成功など、稲塚氏の生涯とその時代が描かれる。
稲塚氏の遠戚にあたる稲塚秀孝監督がメガホンをとり、松崎謙二、野村真美、藤田弓子、舞川あいくらが共演する。9月19日から、東京・有楽町スバル座ほか全国で公開。