ケビン・コスナー、ニール・ヤングの監督作に“雑用係”として参加していた!
2015年9月7日 11:10
[映画.com ニュース] 孤高のカリスマロッカー、ニール・ヤングが自己資金300万ドルを投じた監督・主演作「ヒューマン・ハイウェイ」(1982年製作)の撮影現場で、俳優デビュー前のケビン・コスナーが雑用係として参加していたことがわかった。本作は2014年のカナダ・トロント映画祭でディレクターズカット版が上映されており、その際の会見でヤングが明かした。
ヤングがバーナード・シェイキー名義でメガホンをとった本作は、放射能に汚染された街を舞台に原発を風刺するブラックコメディ。ディーン・ストックウェル、デニス・ホッパー、ラス・タンブリン、サリー・カークランド、シャーロット・スチュワートら豪華な面々が共演し、映画の内容を問われた関係者たちが「わかりません」と口をそろえるほどの衝撃的な物語を作り上げた。
当時、現場には毎日姿を現す若者がおり、セットの管理人のように撮影を手伝っていたという。このことについて、会見でヤングが「いろいろ手伝ってくれる、うーんとあれは何ていう仕事だっけか?」と思案していると、同席したスチュワートが「ああ、ケビン・コスナーのこと?」と答え、後のアカデミー賞俳優であるコスナーが雑用をしていた事実が語られた。ちなみに、本作のエンドクレジットにコスナーの名前は記載されていない。
さらにカークランドが、「リベンジ」(1990)のオーディションで既にスターとなっていたコスナーと対面した際のエピソードも。コスナー作品の素晴らしさを話したところ、コスナーは「覚えていないかい? 僕はあなたがニール・ヤングと『ヒューマン・ハイウェイ』を作っていたラレー・スタジオの管理人だったんだよ。映画製作のすべてをあなたやディーン・ストックウェル、デニス・ホッパー、みんなに教わった」と感謝の念を示したという。また、アカデミー賞7部門を制覇したコスナーの監督・主演作「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(91)では、劇中に登場させた数百頭のバッファローのうち、2頭はヤングから借り受けている。
「ヒューマン・ハイウェイ」は日本では劇場未公開だったものの、9月12日から「日本初公開!世界のどす黒い危険な闇映画」(東京・新宿シネマカリテで開催)の第4弾作品として上映される。