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カルトシリーズ生みの親トム・シックス、「ムカデ人間」の次は「イモムシ人間」?

2015年8月22日 20:00

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500人が数珠つなぎ
500人が数珠つなぎ
(C)2015 SIX ENTERTAINMENT COMPANY

[映画.com ニュース]つなげてみたい――人間の口と肛門をつなげたいという異常な欲望にとりつかれた男を描き、カルトシリーズとなった「ムカデ人間」。人間の好奇心、探究心の行き着く究極の結末を見せつけたトム・シックス監督は、「基本的に人間のダークサイドに魅了されるんだ。映画でも実生活でも、良いヤツには興味はない。悪いヤツが好きなんだよ。だから僕の映画は邪悪さについての映画なんだ」と語る。

人間と異なるものを融合させるのではなく、人間同士をつなげ新たなものを生み出した「ムカデ人間」は、どこから着想したのだろうか。発端は、小児性犯罪者を扱ったテレビ番組だったという。「罰が軽かったので、ジョークで『あの太った男の口に人間の尻の穴を無理やり縫い付けちゃえばいいんじゃないか』って話したんだ。その時はジョークとして終わったけど、ずっと頭に残っていて、もしかしたらホラー映画としてすごくいいアイデアなんじゃないかという予感がして、そこから始まったんだ」と振り返る。

そうして動き出した「ムカデ人間」は、第1弾では極秘にプロジェクトが進められ、役者以外のスタッフにはコンセプトなど詳細が知らされないまま撮影が進められた。本作も同様で、「過去シリーズのヒットによって、ファンをはじめいろいろな人たちから『ムカデ人間になりたい!』という手紙を受け取った。だから、僕は巨大な『ムカデ人間』シリーズを作ろうと思うようになったんだ。アメリカのキャスティング会社に連絡をしたら、撮影現場にたくさんの人が来たよ。いやあ、素晴らしかったね。彼らは自分がムカデ人間になるということ以外は何も知らされていない状況だったんだ。とても壮観でクールだったよ」と話す。

恐怖の生みの親、トム・シックス監督
恐怖の生みの親、トム・シックス監督
(C)2015 SIX ENTERTAINMENT COMPANY

全米でも最悪の刑務所を舞台に、惨劇が起こる本作。3人、12人と増えた犠牲者が、一気に500人に膨れ上がる。囚人たちを恐怖に陥れる狂人は、シリーズおなじみのディーター・ラーザー(「ムカデ人間」)とローレンス・R・ハーベイ(「ムカデ人間2」)だ。シックス監督は、「映画の成功の大事な部分を担っている」怪優ふたりをカムバックさせる一方で、以前とはタイプの異なる役どころを用意し、「観客が期待してくれていることなんじゃないかなと思ったし、僕はシリーズものの映画でそういうのを見たことがない」とふたりの悪役にコンビを組ませた。

第1作でムカデ人間1号となった北村昭博は、恐怖にさらされるヤクザの演技で高い評価を得て、本作にも囚人役でカメオ出演。「『このゴミ映画は星も輝かぬ世界を占拠しているのだ』っていうセリフがあるけど、私はこのセリフが大好きなんだ。その後すぐに彼は殺されてしまう。とても小さい役なんだけどね」

ムカデ人間」は、過去シリーズに影響され、狂気にのまれていく人間が主人公となり恐怖を連鎖させていく。「映画そのものをムカデにしたかったんだよ。『』の終わりが『2』に、『2』の終わりが『3』につながっていて、映画自体が文字通りムカデ状になっているということだ。4時間半のひとつの映画としてとらえたかったんだ。お互いがお互いを食い合い、消化し合うのさ。『ムカデ人間』シリーズは今回で終わりだけど、手足がないキャタピラー、『イモムシ人間』という形で次があるかもしれない」。そんなシックス監督は、今後もさらなるダークな映画に挑みたいと意欲を燃やす。「ロマンティックコメディのような映画を撮ることは絶対にないと思う。僕にとっては退屈だから。ゾッとするような映画を撮りたいね」と明かした。

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