清水尚弥「2年越しで劇場公開できて本当に嬉しい」と万感の思いを語る
2015年7月22日 07:00

[映画.com ニュース] 今年「死んだ目をした少年」「ソ満国境 15歳の夏」と公開作が相次いでいる清水尚弥が主演した「独裁者、古賀。」が、7月18日より東京の新宿K’s cinemaで公開され、清水、共演の村上穂乃佳、芹澤興人、臼井千晶、輿祐樹、松木大輔、そして飯塚俊光監督が登壇し、上映前に舞台挨拶を行った。
2013年夏に撮影されたこの作品は、群馬県の伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞した脚本を飯塚監督自ら映画化したもの。いじめを題材に扱いながらも、瑞々しい人間描写とユニークなストーリー展開で、高校生の青春を描いたエンタテインメントだ。
主人公の古賀を演じた清水は、「思い入れの強い作品をこうして2年越しに皆さまにお披露目できる機会がいただけたことは本当に嬉しい」とし、ヒロインを演じた村上も「こうやって『独裁者、古賀。』が公開され、さらにたくさんの人に見てもらえるということで嬉しい気持ちでいっぱいです」と、公開初日を迎えた気持ちを述べた。
飯塚監督は「初めて撮った長編映画が劇場で上映されるということをもの凄く感慨深く思っています。作品としても、あの当時の僕が後悔なくやったつもりですので、それが皆さまにどう受け止められるか楽しみにしています」と挨拶した。
「いじめ」というデリケートな題材を扱いつつも、古賀に手を差し伸べる芹沢の演じた黒柳という役は“ファンタジーなのではないか!?”という指摘に対して飯塚監督は、「とにかくシナリオ大賞を獲らないと映画が撮れないので、脚本を読んでいる人に賛否両論でもいいという覚悟で書いたキャラクターが、ファンタジーと現実の中間とも言える黒柳という役だった」とし、臼井と輿が演じた役については「今までにないいじめっ子を作りたくて、いじめが正しいのか正しくないのか、問いかけるようないじめっ子にしたかった。最終的な終着点は上手くいったと思っている」と明かした。松木が演じた先生役については、「先生が踏み込めない環境にしてしまっている社会の現実もあるので、僕の中では先生をヒーローにしたくはなくて、ただ孤独の中で頑張ろうという姿が見られればいいのかなと思った」と説明した。

最後に、「この作品のおかげで、監督としての可能性を広げていただけた。その後、「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2014」で、35フィルムで映画を撮るという経験をし、商業的な作品もやらせていただいたが、『古賀。』では商業ベースにのった時にはできないことをいっぱいやっていると思いますので、そういう部分も含めて楽しんで欲しい」と締めくくった。
今年2月に公開された「死んだ目をした少年」で高い評価を得た清水は現在、福岡県みやこ町出身のプロレタリア作家・葉山嘉樹が29歳の時に獄中で執筆した短編小説「淫売婦」を初めて映画化する、児玉公広監督「ある女工記」(共演:中村朝佳)を撮影中で、今後の活躍が期待される若手俳優のひとりだ。
なお本作は、国内最大級のクラウドファンディング・プラットフォーム「MotionGallery」で、東京公開を成功に導くための配給宣伝費に充てる支援金を8月7日まで募っており、間もなく目標金額の50%に達する。
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