飯塚俊光監督「独裁者、古賀。」7月18日公開決定、支援プロジェクト始動
2015年6月8日 07:00
[映画.com ニュース] 群馬県の伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞した脚本を自ら映画化した飯塚俊光監督の長編映画デビュー作「独裁者、古賀。」が、7月18日から新宿K’s cinemaで公開される。同映画祭シナリオ大賞受賞脚本が初めて劇場公開されるということで、同映画祭の開催地・群馬県中之条町でも期待が膨らんでいる。
作品は、いじめを扱いながらも、瑞々しい人間描写とユニークなストーリー展開で、高校生の青春をスクリーンに描いたエンタテインメント。ストレートな青春映画だからこそ共感を呼ぶ作品として、PFFアワード2014でエンタテインメント賞を受賞。第28回高崎映画祭、福岡インディペンデント映画祭2014、第8回田辺・弁慶映画祭など、多くの映画祭で高い評価を得た。
主人公の古賀を演じるのは、今年2月に東京のテアトル新宿で公開され高い評価を得た「死んだ目をした少年」(加納隼監督)で好演した清水尚弥。冴えない高校生が次第に変化していく様を繊細に、力強く演じ切っている。ヒロインには、園子温監督「リアル鬼ごっこ」に出演し、今後の活躍が期待される村上穂乃佳。また、石井裕也監督「舟を編む」「バンクーバーの朝日」などに出演する個性派俳優の芹澤興人が脇を支え、臼井千晶、輿祐樹、松木大輔らが共演している。
飯塚監督は昨年、文化庁委託事業の「ndjc若手映画作家育成プロジェクト2014」の監督に選出され、35ミリフィルム撮影による短編映画「チキンズダイナマイト」を今年春に完成させるなど、注目される若手映画監督のひとり。「この映画は問題にぶつかり、行動できない人たちに見て欲しい映画」としている。
なお、国内最大級のクラウドファンディング・プラットフォーム「MotionGallery(モーションギャラリー)」で、東京公開を成功に導くためのプロジェクトを立ち上げ、支援金を募っている。目標金額は40万円で、主に配給宣伝活動費として使用される予定。支援者には各種特典が用意されている。
飯塚監督は「誰からお願いされたわけではなく、勝手に自分でシナリオを書き、面白い映画になったから応援してくれって、自分勝手だなと思われるかもしれません。どうか許してください、ぼくも“独裁者”ですので」とメッセージを送っているが、より多くの人々に作品の魅力を伝え、観てもらうための活動の一環と言えそうだ。東京から全国へ公開を拡げていけるか注目される。