「ひつじのショーン」はバスター・キートン? R・スターザック監督語る裏話
2015年7月3日 14:20

[映画.com ニュース]NHK Eテレでおなじみのまん丸な目とふわふわの毛。人気クレイアニメ「ひつじのショーン」が、シリーズ初の長編劇場版「映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」となって日本にやってくる。英アードマン・アニメーションズの代表作「ウォレスとグルミット」から飛び出したショーンは、世代や国を超えて人々を魅了。テレビシリーズを生み出したリチャード・スターザック監督が、製作の裏側や人気の秘密を語る。
「ウォレスとグルミット、危機一髪!」(1995)のスピンオフとしてスタートした「ひつじのショーン」。ショーンをはじめとしたヒツジたち、牧場主、牧羊犬のビッツァー。「まるで牧場主が父親、ビッツァーが兄、ショーンが弟という家族みたいなもの」という普遍的な物語であると同時に、「どこでも通じてみんなが愛する」ドタバタ喜劇として国境や世代を超えて愛されているシリーズを完成させた。
「ひつじのショーン」は、動物はもちろん人間もセリフがなく、キャラクターの表情や行動で表現される。スターザック監督はショーンたちを形作る上で、実写喜劇からインスピレーションを得た。「テレビシリーズから一番参考になっているのはバスター・キートンで、無表情なところがショーンと似ていると感じました。完全にサイレントではなく、非常に効果的に音響を使っている点では、ジャック・タチも参考になりました」。こうして、笑いに包まれたショーンの世界ができあがった。

本作は、単調な生活に飽きたショーンたちが、牧場主にいたずらを仕かけたことから巻き起こる騒動を描く。ジョン・ヒューズ監督が、ずる休みを満喫する高校生の一日を映した青春映画「フェリスはある朝突然に」に着想を得たそうで「ショーンは、いろいろなことをやっても変わらないんです。主人公が何かを学んで変わるのが普通のストーリーですが、『フェリスはある朝突然に』は周囲の人々に影響を与えても、主人公は変わらない。そういう点がヒントになりました。主人公を追う校長先生は、トランパーの参考になりましたね。今回、ショーンを慣れ親しんだ場から離れさせることが大きなポイントでした。最終的にはそこに戻りますが、乗り越える障害は物であり、人であり、自分の中の感情なのです」
ショーンの誕生から20年。スターザック監督にとって、ショーンはかけがえのない存在となった。「ニック・パークが『「ウォレスとグルミット」は自分にとって本当に実在する。どんなシチュエーションでも彼らがどう反応するかわかる』とよく話していて、最初は理解できなかったのですが、今ではショーンが僕にとってそういう存在です。どんな状況でも彼ならこう考える、行動するだろうと全部分かるんです。今もショーンの世界は大好きですし、無声のドタバタ喜劇を作りたいという夢が今回かないました」と、目の前に並ぶショーンのフィギュアを前に顔をほころばせた。
「映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」は、7月4日から全国で公開。
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