イスラム過激派の占領描く「ティンブクトゥ」監督、「野蛮な暴力行為に反対するための映画」
2015年6月29日 14:50

[映画.com ニュース] フランスの最新映画を日本に紹介する「フランス映画祭2015」で、アブデラマン・シサコ監督の「ティンブクトゥ(仮題)」が6月28日上映され、来日したシサコ監督がティーチインを行った。
西アフリカ、マリ共和国の古都ティンブクトゥを舞台に、イスラム過激派の弾圧に立ち向かう家族の戦いを描いたドラマで、フランスのセザール賞で最優秀作品賞を含む7部門を受賞。フランス・モーリタニア合作で、第87回アカデミー賞ではモーリタニアから初となる外国語映画賞ノミネートを果たした。
2012年に起きたイスラム過激派によるマリ北部占領事件が物語の基になっており、「過激派の占領は1年も続き、この映画は緊急状態で作られました。新聞で、一組の男女が石打ちの刑で殺されたとことを知り、恐ろしくなったのです」と製作のきっかけを明かす。そして、「この映画は野蛮な暴力行為に反対するための映画です。イスラム教は暴力の宗教ではありません。暴力を使う人がいるのです。そもそも宗教とは、愛と許しなのです」と作品に込めたテーマを語った。
世界遺産にも登録されている美しい古都の小さな町で、イスラム原理主義の過激派たちは、人々に厳しい戒律を強要し、歌うことも、サッカーも禁じられる。暴力的な支配を繰り広げる過激派だが、残虐な場面や激しい戦闘シーンをあえて使わない描き方を選んだ。「静かな暴力として描くと、それはもっと危険なものになる」といい、「重要なのは、暴力は人間がすることだから恐ろしいということを見せたかった。アメリカ映画のバイオレンスのような表現は避けたかった。人が死んだと理解するために、血を見せる必要はありません」とその意図を説明した。
映画祭は29日まで、有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇で開催。「ティンブクトゥ(仮題)」は2015年劇場公開予定。
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